真説 バブル の商品レビュー
バブルの発生と崩壊を、ひとりの個人に焦点当てつつ描いていく、珍しい構成の一冊。金利や規制なんかの外的要因だけではなくて、日本人独特の横並び意識なとのメンタル要因もバブルの本質のひとつと。丁寧に当時の雰囲気を描いているのが印象的。過去を振り返って、現在の価値尺度でさばくのは簡単だけ...
バブルの発生と崩壊を、ひとりの個人に焦点当てつつ描いていく、珍しい構成の一冊。金利や規制なんかの外的要因だけではなくて、日本人独特の横並び意識なとのメンタル要因もバブルの本質のひとつと。丁寧に当時の雰囲気を描いているのが印象的。過去を振り返って、現在の価値尺度でさばくのは簡単だけど、過去の価値尺度を当てはめるのは意外と難しい。 バブル後、金融周辺は国際標準に近づきつつあるプロセスだと思うけど、日本人のメンタルは基本的には大して変わっていないのではないか。今も少なからず静かなバブルだと思っているけど、冷静でいたい。
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スポーツ業界に生きる上で読まなければ行けない書籍。特に2020を迎えるこの時にはねw 電通におけるスポーツの帝王というか、日本におけるスポーツビジネスを作った高橋治之さんの弟さんであり、千昌男の兄貴分である高橋治則さんを主人公に、日本のバブル期の雰囲気を生々しく描いた書籍です。ま...
スポーツ業界に生きる上で読まなければ行けない書籍。特に2020を迎えるこの時にはねw 電通におけるスポーツの帝王というか、日本におけるスポーツビジネスを作った高橋治之さんの弟さんであり、千昌男の兄貴分である高橋治則さんを主人公に、日本のバブル期の雰囲気を生々しく描いた書籍です。まだ治則さんがご存命の時に書かれているので、本人の言葉もあります。 慶応大学閥の力、政治家の力、皇室の力、官僚の力、銀行の力。いろんなものが渦を巻き、バブルというかものすごい竜巻が出来上がっていく様を、多少の脚色や事実誤認もあるかもしれないけど、そこは本当にリアルに感じることができます。バブルは終わったけど、こういう利権構造はまだ各地に残っているわけで、そういう意味ではとても勉強になる一冊でした。2020ってなんなのかとか、日本っていう国の力学はどうなっているのかとか。いろいろ考えさせられます(2016.06.15ごろ読了)
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E.I.E.グループ総帥高橋治則の経歴を軸にバブル時代を振り返った特集記事。 高橋はなぜ一兆円もの資産-借金による-を築けたのか。高橋自身は「自分に信用力がありすぎた。闇社会との付き合いもなかった。」と語っている。 高橋の「慶応-日航という一流コースを歩み、E.I.E.社を再...
E.I.E.グループ総帥高橋治則の経歴を軸にバブル時代を振り返った特集記事。 高橋はなぜ一兆円もの資産-借金による-を築けたのか。高橋自身は「自分に信用力がありすぎた。闇社会との付き合いもなかった。」と語っている。 高橋の「慶応-日航という一流コースを歩み、E.I.E.社を再建した名家出身の若き経営者」のイメージは虚像であり、実像は「日航はコースアウト、E.I.E.社の業績回復は円高の影響、出自は誇張」という経営手腕的には平均以下の人物だった(人脈作りの能力はあったのかもしれない。それが金で築いたものであるにせよ)。 問題はその高橋に資金を注ぎ込み、E.I.E.社の雲行きが怪しくなると貸し剥がしに走り、挙句の果てに破綻した長銀の方にあったのではないか。 そして、長銀だけでなく政治家、官僚、経営層の誰もが投機に走ったバブルという「空気」について記事は論じている。 いわく ・護送船団行政 ・横並び意識 ・不十分な構造改革 ・硬直した官僚制度 : ...おなじみの論点である。 巻末に当時の官僚、政治家、経営者、評論家のインタビューが掲載されているが、こちらも「読まずとも想像できる」話ばかりである。 それでもいくつか鍵となる証言は見いだせる。 ・リスク管理 ・顧客志向 ・環境変化にあわせた「次の」市場開拓 ...何のことはない「真っ当な」経営をしていなかったことに尽きる。 本書での「構造改革」が「情報・通信技術の発展と少子高齢化社会への対応」という本来の意味で使われているのが、小泉・竹中により「構造改革」が「レント・シーキング」に堕してしまった21世紀の今から見ると新鮮に感じる。 1ドル150円で「円高」とされているのも懐かしい。
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