唐詩選(中) の商品レビュー
本書は、唐詩選の巻四~巻六を収録しています。 巻四が五言排律、巻五が七言律詩、巻六が五言絶句と詩形別にまとめられています。 巻六は李白「静夜思」、孟浩然「春暁」など、おなじみの詩を含みます。 それに五言絶句はコンパクトですから、とっつきやすい。 それに比べて五言排律、七言律詩...
本書は、唐詩選の巻四~巻六を収録しています。 巻四が五言排律、巻五が七言律詩、巻六が五言絶句と詩形別にまとめられています。 巻六は李白「静夜思」、孟浩然「春暁」など、おなじみの詩を含みます。 それに五言絶句はコンパクトですから、とっつきやすい。 それに比べて五言排律、七言律詩は読みづらかったです。 天子に応えて作った作品(応制)をはじめ宮廷内・役人同士のやりとりの詩が多く共感しにくいです。 また、長文なので故事が繰り返し出てきますが、そうなると観賞どころではなくなってきます。 ただ、そうして読み続けていくと、杜甫が出てきて印象が変わります。 自然→個人の思いという鉄板の構成に、長きにわたる不遇の人としての視点を持っているので、個人的な読書としては相性がいいです。 しかし、そもそも私が苦手とした宮廷内の詩というのは、個人的な読書を想定して書かれたものではないんですよね。 天子に仕える喜び、役人同士の教養の共有などを前提として、彼らの間では多分生きたものとして(建前もあるでしょうけど)詩が交わされていた。 それは現代ではSNSや写真が代替してしまったので、分かりえないといえば分かりえないのですが、作者がどんな気持ちで作った詩かをもう少し考えることができたら、味わいも変わってきたかなと、読後になってやっと反省しました。
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読み方としては、手元に置いて、ときどきパラパラめくってみる、というぐらいでいいのだろう。 唐詩選は、この前通読した新旧の中国名詩選と違って、別離の詩とか、望郷の歌とか、傾向がかなり偏っているので、続けて読んでいくと飽きがくるので。
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