丘の家、夢の家族 の商品レビュー
タイトルでどんな物語かイメージが湧きにくいし、表紙の絵も残念ながら魅力的とは言えず、著者も有名ではないし、置いてあってもまず手に取らない、読まない本。 でも、これ、名作です。 16歳で自分を産んだ母と二人暮らしで虐待を受けて生きている主人公というのは、最近の児童書にはありがちの設...
タイトルでどんな物語かイメージが湧きにくいし、表紙の絵も残念ながら魅力的とは言えず、著者も有名ではないし、置いてあってもまず手に取らない、読まない本。 でも、これ、名作です。 16歳で自分を産んだ母と二人暮らしで虐待を受けて生きている主人公というのは、最近の児童書にはありがちの設定で、目新しさはない。また主人公が、本で読む理想的な家族にあこがれ、そういう家族の一員であったらという妄想だけを生きがいに生きているというのも、まあ、特別ではないかもしれない。 目が覚めるとその理想的な家族の一員になっている、というところから、読み手は「どういうからくりでそうなったか」が気になる。ここでつまらないオチを用意せず、もう一人の重要人物を連れてくる(それは初めに暗示されてはいるのだが)ところが上手い。 読み終わったあと、騙されたという気持ちにはならない。 主人公の成長に拍手を贈りたくなる。彼女は母を越えたのだ。 主人公の年齢設定が、ちょうどよく、物語の初めには完全に親に依存し、親についても自分についてもきちんと判断できない状態であるのが、終わるころには親を一歩離れて見られる年頃になっている。 これくらいの年の子って(個人差はあるが)こういう目覚ましい成長を遂げることって本当にあります。 本当に読まれないのがもったいない。 小学校高学年以上の子に是非とも薦めたい。 読み物としても面白いことを約束します。
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この舞台となった、バンクーバ、フェリー、ビクトリア、訪れたことがあるので場面が思い浮かべられ、一気に読んだ、恵まれない女の子を応援しながら読んだ。
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