火星人先史 の商品レビュー
火星……この魅惑的な惑星は、30年代スペオペ黄金期は勿論、現在に至るまでSF作家を魅了し続けている。 それというのも、大気が存在し、かつては水があったという痕跡があり、もしかしたら生命の痕跡があるかもしれないという期待がかけられ、かつては「運河がある」ゆえに知性体が存在するのでは...
火星……この魅惑的な惑星は、30年代スペオペ黄金期は勿論、現在に至るまでSF作家を魅了し続けている。 それというのも、大気が存在し、かつては水があったという痕跡があり、もしかしたら生命の痕跡があるかもしれないという期待がかけられ、かつては「運河がある」ゆえに知性体が存在するのではないかと思われていた……そういうところだからだ。 近年は、火星をテラフォーミングした場合、という前提がしばしば用いられる。 本作も、テラフォーミングされた火星が舞台だ。 とはいえ、完璧なテラフォーミングとはいえず、かろうじて酸素マスクがなくても歩く事ができる荒野が広がっている、そんな世界だ。つまり、昔、火星はこんなところだろう……と思われていたような状態が作られている(うまい!)。 その舞台で、とある改造生物が活躍し、真の火星人たるべき存在になっていくのだが……。 使用された生物にまず意表を突かれる。また、火星人の存在形態も凝っている。 しかし、後半には幾つかの疑問が残る。 たとえば、あまりにも火星を制圧しようとしている地球の軍人が、ステレオタイプに過ぎないだろうか。感情的な反応を示す指揮官がいてもいいが、皆が皆そうでは、面白味を欠くと思う。 また、ラストについては、こうする必要があったのかと首をひねる。 火星がテーマであり、火星を舞台に展開してきたものが、いきなりこうなってしまっては、唐突という感じは免れない。
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<poka> 読み終わったあと、力や勇気をもらったような気がしました。こんなところが川又さんのすごいところでしょうね。 火星3部作は全部読んでみます。 <だいこんまる> pokaさんは火星モノがすきですね。神林さんの3部作を思い出しました。
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