静かな木 の商品レビュー
なんて面白い短編集だろう! 3つのお話それぞれが、短い中にたくさんの気持ちの動きがあって、沁みてくるようです。最後の短編集と知って感慨ひとしお。素敵な物語でした。
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藤沢周平の短編集。 江戸時代も、人は生まれ、育ち、何かをなし、老いて、死んでいく。それを漠然と感じさせてくれる話。 不自由な中の自由、自由の中な不自由を考えた。
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岡安家の犬 2回目 読者は犬を煮て食う話にいきなり度肝を抜かれる 静かな木 大欅の下「生きていれば、よいこともある」と孫左衛門は思う。こういうセリフが聞きたくて読みたくて、読者は藤沢作品に向かうのである 偉丈夫 権兵衛が馬のような体躯にノミの心臓を備える小心者であることを知った読者は、本藩の加治右馬之助との交渉をハラハラしながら見守る
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作者最晩年の短編集。隠居の身の孫左衛門は次男の果し合い騒動を機に過去の遺恨を残す仇敵に一矢報いようとする。主人公には晩年の作者の姿が重ねられている様な気もする。小品ながらいかにも藤沢周平らしい作品。
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藤沢周平最晩年の短編集。 3作品全てが短編とは思えないほど満足感のある内容でした。 さすが藤沢周平作品です。 まず、岡安家の犬。 犬鍋というパワーワードに冒頭から度肝を抜かれました。 男の意地とか未練とか、しょうもない悪癖とか、滑稽だけど人間味のある物語でした。 次に、静か...
藤沢周平最晩年の短編集。 3作品全てが短編とは思えないほど満足感のある内容でした。 さすが藤沢周平作品です。 まず、岡安家の犬。 犬鍋というパワーワードに冒頭から度肝を抜かれました。 男の意地とか未練とか、しょうもない悪癖とか、滑稽だけど人間味のある物語でした。 次に、静かな木。 時代劇に良くある不正と出世と皺寄せが題材ですが、映画で見たいくらい鮮やかな展開でした。 傲慢で暴れん坊な悪役の親が好人物なんて、「どうしてそうなった?」なんて悪役の成長過程も気になったり。 手詰め、どんな動きなのか気になります。 最後に、偉丈夫。 馬の体躯に蚤の心臓なんて可哀想すぎるギャップ。 頑張ったのであろう勝負どころが目に浮かぶようで笑えました。
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東北の小藩を舞台に 武士たちのささやかな意地や滑稽さを暖かに描いた 短編4種。 どれもかなり短いのに、ふわっと余韻が残る そんな作品たち。
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でんと落ち着いていて、それでいて滑稽味やほんのりとした軽やかさもある三編。 静かに回る小さな無垢のコマを連想。 個人的には「偉丈夫」が好きかな。 派手ではないけど味わい深い、安心感のある作品集だった。
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三篇の短編、表題の「静かな木」以外はユーモラスな趣のある話だった。表題作にしても命がけでかつての上司の旧悪を暴くのだけれどその結末はホッとするものになっている。藤沢周平さんの作品には暗い影がさす物が多いのでたまにこの様な作品に出会うと他の作者の物を読んでいる様な気持ちにもなる。
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藤沢周平(1927~1997)晩年の短編3作、「静かな木」、2000.9発行。岡安家の犬、静かな木、偉丈夫の3話。「岡安家の犬」は最悪。時代背景が今とは違うとはいえ、友人の愛犬を犬鍋にして友人に食べさせ、お前の家の犬だと言う、極めて悪質で趣味の悪い話。後から反省しているようだが...
藤沢周平(1927~1997)晩年の短編3作、「静かな木」、2000.9発行。岡安家の犬、静かな木、偉丈夫の3話。「岡安家の犬」は最悪。時代背景が今とは違うとはいえ、友人の愛犬を犬鍋にして友人に食べさせ、お前の家の犬だと言う、極めて悪質で趣味の悪い話。後から反省しているようだが、到底納得できない話。「静かな木」と「偉丈夫」は普通に読めましたが。
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2020/9/30 読了 「静かな木」親子二代にわたる因縁の相手。短編とはいえ深みのある内容。最後は思わぬ結果にニヤリ。「ーー生きていれば、いいこともある」印象深し。
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