脱冷戦期の中国外交とアジア・太平洋 の商品レビュー
中国が将来直面する可能性が高い戦争はハイテク戦争で、中国軍もハイテク化すべきとするが、新装備や兵器の導入にとどまらず戦略や戦術、軍の指揮、兵站体制のほか、編成や体制そのものも根本的に改革すべきであると主張した。ハイテクによって武器と装備の面では情報化、知能化、統合化、また戦争の形...
中国が将来直面する可能性が高い戦争はハイテク戦争で、中国軍もハイテク化すべきとするが、新装備や兵器の導入にとどまらず戦略や戦術、軍の指揮、兵站体制のほか、編成や体制そのものも根本的に改革すべきであると主張した。ハイテクによって武器と装備の面では情報化、知能化、統合化、また戦争の形態や作戦様式では全縦深作戦、非線形の作戦が基本となった世界的なトレンドを背景としている。 日米安全保障関係が協調的安全保障体制を支える重要な一部となり、それが紛争対処能力を備えれば、勢力均衡的契機を無力化する新しいアジア太平洋の安全保障体制に近づくことになる。そしてそのような協調的安全保障体制は特定の脅威を外部化しない体制であるから、その仕組みに中国の同意を取り付けることが決定的に重要になる。 ポスト冷戦期の台湾は東南アジアシフトも一段落して、労働集約的産業は中国へとシフトしている。 日米両国ともにアジア太平洋地域における利益を確保するためには中国の助けを借りたり、中国を利用する必要があり、「中国は米日矛盾に対して一定の制約作用を果たすことができる」と考える。 アジアにおける脱冷戦化は中ソ関係の正常化とともに進展した。第一に中国にとって脱冷戦化とはチャイナカードの有効性が失われたことを意味した。米ソ対立時代には、諸外国は中国をソ連に対するカードとして重視したこれに対して脱冷戦化の過程に伴って、諸外国、とりわけ西側諸国は依然よりも自由な立場で対中政策を立案することが可能になった。
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