天皇 の商品レビュー
作家の著者が世界的に見ても独特である天皇制について考える。 近世や現世の天皇について書くのではなく、多くを古い時代の天皇、つまり第一代の神武天皇に始まり、仏教に帰依した聖武天皇あたりまでに多くを割く。 伝説も多くはあるが天皇も最初から安泰であったわけではない。伝説では九州の高千穂...
作家の著者が世界的に見ても独特である天皇制について考える。 近世や現世の天皇について書くのではなく、多くを古い時代の天皇、つまり第一代の神武天皇に始まり、仏教に帰依した聖武天皇あたりまでに多くを割く。 伝説も多くはあるが天皇も最初から安泰であったわけではない。伝説では九州の高千穂で現れた神武天皇東征に始まり河内系、播磨系、近江系やらの血なまぐさい争いを経ている。国をまとめた後に鍵となったのは今の朝鮮での白村江の戦い。そこで敗戦した当時の日本が、国内体制を改革し古代国家として自立した。国を振り返る「日本書紀」が編纂されたのもこのころである。 なぜ天皇制は続くのか。解が難しいところではあるが、摂政やら幕府やら(もしくは大戦期の軍も)天皇を権力抗争の道具として見ていたからではと言う。確かに誰も天皇制を覆そうとはしていない。天皇を日本国の象徴と定めるのは、普通に思えば特別な存在であることを示すが、背後には黒幕好きな(?)日本のメンタリティーの現れかもしれない。あくまで個人的意見だが。
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