キングの最高の日 の商品レビュー

ウルフスタルク(著者),遠藤美紀(訳者),江川智穂

2022/02/10

　強くて大きな犬のキング。ヨッヨという少年とその友人達が、「キングが望むこと全部、おれたちでさせてやらなきゃな。」と、病のため安楽死をさせられかけているキングのために行動を起こします。

　この作家さんのお話は、読んでいるときは夢中で読み進めるのですが、読み終わった後しばらく、何日も、その物語を引きずって過ごすことになります。不思議です。

　少年にとって、ペットのキングは家族であり友達です。そのキングが、気づけばかなり弱って行っていて、苦しそうにしています。苦しそうな声を聞かずに済むように、少年は、キングに声を出して本をよんであげます。弱っていく姿を見ないでおくために、窓際に立って、外をながめます。

まだ子供なのに、弱って動かなくなっていく大切な相手と、二人でいるのはどんなに心細く辛かったかと思うと、心が痛みました。でも、逃げずに寄り添い続けました。

少年たちが用意した、キングの最高の日。遊園地に行ったり、好きな犬と遊んだり…。安楽死させられていたら体験出来なかった、最高の日をキングは虹の橋を渡った後も忘れないでしょう。

辛さや愛おしさや、言葉にならない様々な感情が絡み合い、深い感動に包まれました。

2009/10/04

☆病気で元気のない犬のキング。苦しまずに死なせようと、安楽死させる日が近づいた。
　そこで子供たちはキングが死ぬ前にキングがやりたいと思ってただろう事をしてあげることに…。