女生徒 の商品レビュー
古本屋さんで見つけて手にとった本。 もともと女生徒は読みたいなって思っていたから 文庫本を買うつもりだったけど、引き寄せられるようにこの本を買いました。 自分に重なる部分や、共感のある部分が多くて、読んでよかったな、と思います。 古本だったのもあり、 私の先に買った人が線を引い...
古本屋さんで見つけて手にとった本。 もともと女生徒は読みたいなって思っていたから 文庫本を買うつもりだったけど、引き寄せられるようにこの本を買いました。 自分に重なる部分や、共感のある部分が多くて、読んでよかったな、と思います。 古本だったのもあり、 私の先に買った人が線を引いていて、 「どんなことを思って、考えて、線を引いたんだろう」と考えながら読むのも楽しかったです。 添えられた写真も好きでした。
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数多く出版されている『女生徒』だが、この本は特にブックデザインが目を見張る。文の見開きと写真2枚の見開きが交互に繰り返され、小説の内容の情緒性を引き立てている。 写真 佐内正史さん 装丁 葛西薫さん、池田泰幸さん
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太宰は乙女だったのか。 少女の気分に浸りたくなったら、これひとつ読めば十二分に満たされて、なにぶん飽きて、待ち受けてる大人の人生を進もうかと思える。食傷気味になるほどだから、上質な文章なのだろう。
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今の自分がこの本に出会えてよかったなあと思った。 共感できるところが幾つかあって、あぁ同じ事考えてるな、といったん本を閉じて深く考え込みたくなる。 洗濯しながら月に向かって微笑んだ所なんかそうだった。どこかで、全く同じ事をしている人がいて同じ事を思って、どこか惨めに暮らしているん...
今の自分がこの本に出会えてよかったなあと思った。 共感できるところが幾つかあって、あぁ同じ事考えてるな、といったん本を閉じて深く考え込みたくなる。 洗濯しながら月に向かって微笑んだ所なんかそうだった。どこかで、全く同じ事をしている人がいて同じ事を思って、どこか惨めに暮らしているんじゃないかとか考えたりする。 こんな変な事を考えるのは自分だけだと思ってた。みんな同じか…引け目を感じていて、それでもやっぱりすっきり美しく生きたいと思ってるんだ。 誰よりも美しく清く生きよう。 **** 「こんなくだらないことに平然となれる様に、早く強く、清く、なりたかった。」 「なぜ私たちは自分だけに満足し、自分だけを一生愛して行けないのだろう。」 「うんと重い病気になって、汗を滝のように流して細く痩せたら、私も、すっきり清浄になれるかもしれない。」
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―――いま、という瞬間は、面白い。 いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。――― ひとめ惚れ。 エレカシ宮本さんのお言葉を借りると 「これは感じのいい本だ。」 『女生徒』の短編自体はじめて読みました。 ある女...
―――いま、という瞬間は、面白い。 いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。――― ひとめ惚れ。 エレカシ宮本さんのお言葉を借りると 「これは感じのいい本だ。」 『女生徒』の短編自体はじめて読みました。 ある女生徒の朝から晩までの生活と、それに寄り添う思考回路をただただ追いかけた話。 言葉づかいがとても可愛い。 感熱紙に印刷したワープロ文字のような書体も可愛い。 白っぽくクリーム色のような写真もぜんぶキレイ。 何度もひらきたくなる一冊。
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大好きだった先生が退任なさったときにいただいた本です。 太宰治が女の子のフリをして書いたのですが、青春時代の女の子のまぶしくてちょっと切ない感じにとても共感しました。 この本には、現代の日本の風景、現代の日本の女の子の写真が挿入されていて、より文章の世界観にはいりやすくなってい...
大好きだった先生が退任なさったときにいただいた本です。 太宰治が女の子のフリをして書いたのですが、青春時代の女の子のまぶしくてちょっと切ない感じにとても共感しました。 この本には、現代の日本の風景、現代の日本の女の子の写真が挿入されていて、より文章の世界観にはいりやすくなっているんじゃないかなと思います。 何か作るときにインスピレーションをくれる大切な本です。
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葛西薫さんのアートディレクションで太宰治の女生徒を左内正史の写真とコラボレーションさせています。太宰の時代の女生徒であっても現代の女生徒にあてはめても違和感ないのが太宰のすごいところかもしれない。
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読み終わると、脚本・太宰治、撮影・佐内正史・・・と頭の中にクレジットが流れてきた。 映画を見たような錯覚。 佐内正史が映す、「女学生」からみた今の東京は、妙に「明るくて」、「薄い」。空っぽな、かんじが切ない。 太宰治の「女学生」は、主人公は実は「女」でも「若者」でもないことが...
読み終わると、脚本・太宰治、撮影・佐内正史・・・と頭の中にクレジットが流れてきた。 映画を見たような錯覚。 佐内正史が映す、「女学生」からみた今の東京は、妙に「明るくて」、「薄い」。空っぽな、かんじが切ない。 太宰治の「女学生」は、主人公は実は「女」でも「若者」でもないことが、今読むと、よくわかる。 読みながら、中原淳一と、嶽本野ばらと、三輪明宏を思い出しました。 美意識の高い若者は、誰もが(女に限らず)「自分の分身かもしれない」と錯覚するのではないかしら? それにしても、感性の鋭い人の心は、傷つきやすく、残酷で、移ろいやすい。その振れ幅の大きいこと!1ページの中で、泣きそうになったかと思うと、怒り出し、途中で幸福感を味わったりする。(比喩です)そして、その心の大振り子の動きから散射される、いやになるほど響く言葉! そして、舞台装置がまたよいのですよ。昔の東京と、今の東京。 あえて、「THE 東京」の本棚に入れさせていただきました。 この本にでてくる場所めぐりもいいかな。
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装丁に惹かれて読んでみた。太宰の書く女性は少女でも何だか艶っぽい。 でも思春期ってこんな感じだよなぁ。
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自分で縫った下着に薔薇の刺繍をする女生徒の「私」は、可哀想でたまらない飼い犬のカアにわざと意地悪をしてみたり、人々がよいと思う娘になろう、母親を大事に生きていこうとする健気な娘でもある。 父を喪った孤独感と成長に伴う少女のこころの揺れを男性の太宰治が表現できたことに驚く。 このま...
自分で縫った下着に薔薇の刺繍をする女生徒の「私」は、可哀想でたまらない飼い犬のカアにわざと意地悪をしてみたり、人々がよいと思う娘になろう、母親を大事に生きていこうとする健気な娘でもある。 父を喪った孤独感と成長に伴う少女のこころの揺れを男性の太宰治が表現できたことに驚く。 このまま綿矢りさ(『蹴りたい背中』で最年少芥川賞)が書いた作品といっても通るほど、 瑞々しく繊細な感情表現は、70年も前に書かれたとは思えない!当時は衝撃だったのではないか? 最後の一文に「ハッ」とする。『走れメロス』を発表する前の作品。北村透谷賞受賞作。 *** 本書は2ページごとに写真だけのページをはさんで構成されている。 現代の二人の制服の少女が通学路で出会う都会の景色の中にたたずむ。趣のある写真です。
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