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アイヌ歳時記 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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北海道に旅行に行って…

北海道に旅行に行ってアイヌコタンなんかを詳しく見てきて興味を持ち、アイヌモードに入ってから読まないと、難解で面白くないはず。

文庫OFF

2014/10/19

日本人がアイヌの人々の主食である鮭を採ることを禁じた・・・というくだりを読み、生きる者がもつ尊厳に対してなんら思考せず優先順位をつける行為が腹立たしく恥ずかしく思った。しかし、日常の中で自分自身の中にそういう部分はないだろうか。第三者的になく自分自身に置き換えてみれば、そういう部...

日本人がアイヌの人々の主食である鮭を採ることを禁じた・・・というくだりを読み、生きる者がもつ尊厳に対してなんら思考せず優先順位をつける行為が腹立たしく恥ずかしく思った。しかし、日常の中で自分自身の中にそういう部分はないだろうか。第三者的になく自分自身に置き換えてみれば、そういう部分があることを認める人の方が多いだろう。 命の根源を預け寄り添い従いながら自然の利息のみを頂く生き方は、畏れるということが多い日々だったとしても、命に直に触れる日常の方が豊かに思う。 そういうことがないため、生きるものに対する尊厳など持てなくなる。 様々な神々を生き、宝をたくさん持つアイヌ民族の暮らしには心打たれる。 なかでも、見た宝という話には心打たれた。 アイヌ社会では宝というのは、手に持っているものに限らず、珍しいことを見たり聞いたりしたことも、心にしまっておく宝として大切にするという。それらを称して「見た宝」という。 私も真似して、見た宝をたくさんため込もうと思った。しかしアイヌの人々は、心に大切にしまっておき人には話さないという。 

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2014/04/05

アイヌのくらしを きちんと記録しています 最後に 原子力 は人間を自滅させる 予感が絶対に当たらないことを念じる でもそのとおりになってしまいました

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2012/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新書とは思えないくらい広く深い本。 国会議員とは思えないくらい押し付けがましくない著者の記述。 二風谷に生まれて 四季のくらし 神々とともに生きて 動物たちとアイヌ 生きることと死ぬこと アイヌの心をつづる あとがき 後書きの言葉が身にしみる。 「私はここ十数年,次のようなことを講演の終わりに口癖のようにいってきた。  チェルノブイリ原子力発電所事故の二ヶ月後,私はスウェーデンのヨックモックという町へ行って,その被害の恐ろしさを見聞きした。日本のことわざに身に降りかかる火の粉ははらわなばならない、というのがある。しかし、色も形もにおいもない死の灰をはらうことはできないであろう。神は人間を創ったが、死に至る病を創ることも忘れなかった。病は現代の医学で克服してきたかに見えるけれども、最後に神は人間を自らのおろかさで自滅させようとしているのではないだろうか。それが原子力なのである。  これは私も含めて人間が天に唾するということであり、吐いた唾は必ず自分の顔へ戻ってくるであろう。」

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2010/08/01

6月の終わりに「べてるまつり」へ行ったとき、二風谷へも行った。 資料館で、萱野さんがアイヌの暮らしや子どもの遊びを語り、実際にこうしていたのだとやってみせる映像を見ながら、よくおぼえてはるなあと思った。 この本でも、萱野さんは季節の行事やアイヌの暮らしのさまざまな場面、資...

6月の終わりに「べてるまつり」へ行ったとき、二風谷へも行った。 資料館で、萱野さんがアイヌの暮らしや子どもの遊びを語り、実際にこうしていたのだとやってみせる映像を見ながら、よくおぼえてはるなあと思った。 この本でも、萱野さんは季節の行事やアイヌの暮らしのさまざまな場面、資料館の映像にもあった子どもの遊びのことなどを縷々綴っている。「自然」を感じる話が多い。 ▼…アイヌは本当に自然の中に行き、山から、川から食べ物をいただくという感謝の心を忘れなかった。  川でサケを獲ってもカラスの分、キツネの分など、生き物に食べ物を分け与えた。それらの教えはウウェペケレ(※)という昔話の中で何回も何十回も聞かされたものである。(p.7) ※最後の「レ」は小文字表記、母音をともなわない「r」に対応し、直前の音がエ段なら小文字で「レ」と表記するとのこと 自然と人間は共生するものであると、その長い体験から萱野さんは言い、「アイヌの心」として「天から役目なしに降ろされたものは一つもない」と書く。 二風谷ダムの建設に萱野さんはアイヌ文化を守るためと最後まで反対したというが、資料館の横にある、かつてのアイヌの復元建物で管理人をつとめているというアイヌのおばあさんは、萱野先生がおられなかったら…と大いなる尊敬を萱野さんに寄せる一方で、ダム建設には賛成派のようだった。二風谷へ向かう道路で、ダム建設に反対する横断幕を一つだけ見た。補助金のこともあるのか、地元の人たちは必ずしもダム反対というわけではないようだった。資料館の奥にあったダムの水際には粘土質の土が積もっていて、このダムどうなんかなーと思いもしたが、一見さんでそこまでの話は聞けずに帰ってきた。 こんど、萱野さんとともに最後まで二風谷ダムに反対したという貝沢正さんの本『アイヌ わが人生』を読んでみようと思う。

Posted byブクログ