転移の心理学 の商品レビュー
これはよく分からないなりに、スゴい本だ! 「転移」とは、患者(クライアント)が分析医(カウンセラー/コーチ)に、自分の無意識などを「投影」することから始まる複雑な関係性みたいなもの。 この本は、プロの臨床分析医に対して、「転移」を論じる専門書で、かなり難解。 ということなの...
これはよく分からないなりに、スゴい本だ! 「転移」とは、患者(クライアント)が分析医(カウンセラー/コーチ)に、自分の無意識などを「投影」することから始まる複雑な関係性みたいなもの。 この本は、プロの臨床分析医に対して、「転移」を論じる専門書で、かなり難解。 ということなのだが、ユングは、「転移」を、錬金術の「哲学者の薔薇園」という10枚の図版にもとづき説明していて、これが、「転移とはなにか」という本題をひとまず脇において読むと、ものすごく面白い。 簡単に言うと、「男性性」と「女性性」の結合、対立するものの結合に関する錬金術的なプロセス。 これが、まさにU理論というか、ヒーローズ・ジャーニーというか、十牛図というか、という感じ。 本当に、洋の東西に関わらず、真にクリエイティブなプロセスは、Uプロセス的なものになる、という確信を新たにした。 つまり、対立するもののダイナミックな統合、「全体性」の回復、ということなんですね。 素晴らしい!!! 一方、これが「転移」とどう関係しているか、というのは結局のところ、よく分からない。 多分、患者と医者との関係、治療の可能性は、こういう相互的なクリエイティブ・プロセスのなかにある、ということが言いたいんだろうけど、訳者の解説でもややクエスチョンがでているとおり、今ひとつ、強引な感じは残る。 「男性性」と「女性性」の統合の話しと割り切って、「転移」についてもヒントを得られればいい、というくらいのスタンスで読むといいかな。
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難しいところは飛ばし読み。それでも、参考になる部分があった。心理療法における「転移」と「逆転移」について、知識を得ることができる。カウンセラー的な立場で人と関わる人は、こういうことを知っておいた方がいい、と思えることが書いてあった。
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