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グローバル・ポリティクス の商品レビュー

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2011/08/04

▼冷戦後の世界を特徴づける言葉といえば「グローバル化」が挙げられる。大きな二つの(相異なる民主主義に関する)イデオロギー対立が終わった世界においては、当然の如く「一つの」世界が実現されるものと考えられていた。 ▼しかし、「全て」を包摂するようなイデオロギーが失われた世界では、個々...

▼冷戦後の世界を特徴づける言葉といえば「グローバル化」が挙げられる。大きな二つの(相異なる民主主義に関する)イデオロギー対立が終わった世界においては、当然の如く「一つの」世界が実現されるものと考えられていた。 ▼しかし、「全て」を包摂するようなイデオロギーが失われた世界では、個々人がいかにしてアイデンティティを確立するかという課題が生じた(本書第Ⅲ部「機能領域と新たなアイデンティティ」参照)。 ▼そしてまたそのことは、国家の在り方を再規定する可能性をも孕んでいる。ところが、認識論や理想論が活発な一方で、その理論化は非常に難航している(本書第Ⅰ部「現代のグローバリゼーションと国家」,同Ⅱ部「国家の相対化と地域」参照)。 ▼そういった現代を生きる私たちには、自らが多角的な視点を持って、幅広く世界を認識し、それを「再」構造化していくことが求められている。そしてそのために本書を手に取ることは、有益な一助となることだろう。

Posted byブクログ