カルト教団太陽寺院事件 の商品レビュー

辻由美(著者)

2021/10/04

山口周氏の独学本より、宗教ジャンルの推薦本として購入。

日本でオウム事件が起きる少し前にスイスを中心に起きた、カルト教団による大量虐殺事件を追ったノンフィクション。

当事者が亡くなっているため、事件の真相は今もわからない事件で、モヤモヤしたものが残る一方で、宗教に惹かれていく人たちの気持ち、それは承認欲求だったり差別意識だったりするのだろうが、そういったものが自分にないかと言われると否定は出来ず、何事も紙一重という気がする。

馴染みの薄い欧米の宗教だが、写真が何もないので、イメージはWEBで補完するしかないが、あまり見つけることは出来なかった。

2018/10/15

それなりにおもしろかった。テンプル騎士団や薔薇十字団のこともわかったし。ただときどき本筋から外れて作者のエッセイ的な記述が出てくるのには抵抗があったが。

役者がそろい、このような秘密主義的な組織ルールが徹底されると信じる人は信じてしまうんだろうな。しかもその組織の中で評価されたりなんかすると。

殺害を免れたティエリ・ユグナンの手記にあったように、あまりにも依存度が高すぎると、何かでおかしいと思ってもそこから逸脱することができなくなってしまうんだろう。たとえそういった疑問に対して自分で自分を納得させられなくなったとしても。

以前にも帝国宇宙軍(だっけ？)のときにノートに書いたみたいに、自分の居場所としてそこがハマッてしまうとその環境や生活を失うことができなくなる。でもそれはカルト宗教に限ったことではなくて、たとえば結婚なんてのも意外と同じようなものかもしれない。