日本がわかる思想入門 の商品レビュー
古代から近代に至るまでの日本思想史を、40の項目に分けてわかりやすく説明している本です。 武士道の変遷についての解説は、とりわけ興味深く読みました。鎌倉時代の武士は、農民と対立する支配階級ではなく、むしろ「心有る武士は“土にまみれること”に抵抗がなかった」と述べられています。と...
古代から近代に至るまでの日本思想史を、40の項目に分けてわかりやすく説明している本です。 武士道の変遷についての解説は、とりわけ興味深く読みました。鎌倉時代の武士は、農民と対立する支配階級ではなく、むしろ「心有る武士は“土にまみれること”に抵抗がなかった」と述べられています。ところが、平和な江戸時代に入ると、武士の「死ぬ覚悟」は観念へと昇華され、道徳を修めて礼儀正しい振舞いをつねに心がけ、庶民の手本となるべきだという使命感に変わっていったとされています。 こうした武士道を近代に甦らせるのに影響力をもったのが、新渡戸稲造の『武士道』でした。ただし彼は、武士道的精神から近代的道徳に結びつく点だけを慎重に抽出しており、必ずしも武士道のあらゆる要素を盛り込んだものではありませんでした。 あっというまに読めて、手軽に日本思想史の概要を知ることができる本だと思います。
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網羅性があり、入門書としてはちょうどいいレベル。近世までは宗教と密接に絡むので、仏教・神道・儒教・国学等々の各々の関連性を時系列で抑えておく必要があるが、テーマ毎に区切ってしまっているため、その辺の流れが少々わかりにくいか。
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地元の図書館で借りました。「ここが変だよ日本人」「ここがおかしい日本の営業マン」古代から中世、近世、近代まで、私達はどう考えてきたのか?ヨーロッパ哲学も日本の哲学も知らずに文句ばかりいってるので、一冊目としてこの本を読むことにしました。
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