1,800円以上の注文で送料無料

鈴木大拙全集 増補新版(第9巻) の商品レビュー

2

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/10/06

霊性的日本の建設が読みたくて手に取った。冒頭の魔王の人類滅亡計画の熱弁は猛烈に面白いが以降は尻すぼみ。ベルジャーエフをもろパクリして仏教アレンジをかけた言説が続き、自由を希求する仏教と日本を戦争に導いた神道という理屈をこね、神道を猛然と批判。おいおい、戦前の軍人は日蓮宗もいたし浄...

霊性的日本の建設が読みたくて手に取った。冒頭の魔王の人類滅亡計画の熱弁は猛烈に面白いが以降は尻すぼみ。ベルジャーエフをもろパクリして仏教アレンジをかけた言説が続き、自由を希求する仏教と日本を戦争に導いた神道という理屈をこね、神道を猛然と批判。おいおい、戦前の軍人は日蓮宗もいたし浄土真宗も戦争協力しとったやろうが。散々、日本主義はいかんと言いながら日本的霊性を発現させよと矛盾したことを言い出す始末。神道は祓いの思想があって良くないと言いながら自身は神道を排斥。要するに戦争に日本が負けたもんだから、全部神道のせいにして仏教を守ろうとしただけでは?内田樹にも似た思いつきエッセイぷりでなかなか酷い。鈴木大拙の評価は一定のものがあると思うけど随分怪しいと思った。だいたい冒頭から太平洋戦争でどうせ日本は負けると思ってた、あの頃は言えなかったけど今なら言えます!という宣言も誠意がない感じでヤラシイ限り。

Posted byブクログ