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アビシニアン の商品レビュー

3.7

11件のお客様レビュー

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2013/01/21

文字の必要のない世界を文字で表現する。その意味するところ、漢字とひらがな、かたかなの見た目と音、語感、それぞれの相性、といったものが、じゅうぶんに吟味されてできあがった世界。言葉が躍動している。言葉のもつ無限の可能性を知ることができた。終えるのがもったいなくて、毎日寝る前に少しず...

文字の必要のない世界を文字で表現する。その意味するところ、漢字とひらがな、かたかなの見た目と音、語感、それぞれの相性、といったものが、じゅうぶんに吟味されてできあがった世界。言葉が躍動している。言葉のもつ無限の可能性を知ることができた。終えるのがもったいなくて、毎日寝る前に少しずつページを捲ってようやく読了。灰色の装丁と、遠慮がちな題字の色とフォント、表紙のアビシニアンの表情も大好きです。これから先、何度も読み返すことになる本だと思います。

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2011/03/02

やさしい、あたたかい、でも悲しく、絶望もある。 命があるということは、生きて行くということは、そういうこと全て。 その感情に面と向かって立ち向かえるか、気がつかないふりしてやりすごすか。後者のほうが楽ちんだし、わたしもそうする。でも、それの壁を乗り越えていくと、あたたかくてふわふ...

やさしい、あたたかい、でも悲しく、絶望もある。 命があるということは、生きて行くということは、そういうこと全て。 その感情に面と向かって立ち向かえるか、気がつかないふりしてやりすごすか。後者のほうが楽ちんだし、わたしもそうする。でも、それの壁を乗り越えていくと、あたたかくてふわふわでやさしい毛皮が待ってるかもしれない。 攻撃的に前向き思考にさせる強引さは皆無。読む人とタイミングが合わなければ優しいきもちにはなれないかも。 でも、きっとわたしはいいタイミングで読むことが出来た。 古川日出男作品のなかで、1番膚のぬくもりを感じる、安心する作品。

Posted byブクログ

2011/04/24

文字は、時間で、時間を持たなくなれば、文字も必要なくなる、のだと。 ぐいぐい読めた。万人受けするタイプの物語ではないかもしれないけれど、個人的にはとても好き。 香水が欲しくなりました。

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2009/10/04

図書館にて。 うーん。ものすごく狭い視野で一人一人が生きてる感じ。 きれいな言葉で書かれていたりするけど、 人の感情の一部しか書かれていない気がするし、 奥行きも感じられない。自意識過剰な感じ。 集団になじめなくて離脱した子が主人公ってのもありがち。 それでもまあまあ楽しんで読ん...

図書館にて。 うーん。ものすごく狭い視野で一人一人が生きてる感じ。 きれいな言葉で書かれていたりするけど、 人の感情の一部しか書かれていない気がするし、 奥行きも感じられない。自意識過剰な感じ。 集団になじめなくて離脱した子が主人公ってのもありがち。 それでもまあまあ楽しんで読んでいたのに、 あのラストの尻つぼみは何??がっかり。 この人の本しばらく読まない。

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2009/10/04

珍しく感想を感想用紙に書きたくなった作品。感想を書くと長くなりそう。ひとは感覚で生きる事ができる、猫と話を上手く絡めている。登場人物の心情が特殊にも関わらず感情移入できる。

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2009/10/04

「二〇〇一年、文盲」 「無文字」 「猫は八つの河を渡る」 淡くて中途半端 書き手の生み出す上昇気流にうまく乗れるかどうかで 受ける印象は変わるのかも ラブストーリー ロマンチックな

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2009/10/04

猫を語る作家は数多くいますけど、この人の猫の描き方ってのも結構好きです(ベストは保坂さんなのだけども)。猫を対等に見てるというか、同志として見てる。三章目だけ、どうもなぁ。。。と思った。まとめにかかってしまってて、どうもなぁ。。。と。惜しい。二章までの面白さを最後に昇華できてない...

猫を語る作家は数多くいますけど、この人の猫の描き方ってのも結構好きです(ベストは保坂さんなのだけども)。猫を対等に見てるというか、同志として見てる。三章目だけ、どうもなぁ。。。と思った。まとめにかかってしまってて、どうもなぁ。。。と。惜しい。二章までの面白さを最後に昇華できてないやーん。とちょっと残念だった。この人、装丁をちゃんと考えてるよなぁ、けど。この猫の写真、いい!!!(06/10/9)

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2011/07/15

古川さんの小説に出てくる少女たちは巫女のようだなあ、と思う。攻撃的で敵意にあふれる現実に抵抗し、反撃したり侵食したりで世界の中に自分の居場所を空けさせる。彼女たちの世界は現実世界にとっては異物であっても決して排除は出来ない。むしろ侵食され、排除されるのは現実の方なのかもしれない。...

古川さんの小説に出てくる少女たちは巫女のようだなあ、と思う。攻撃的で敵意にあふれる現実に抵抗し、反撃したり侵食したりで世界の中に自分の居場所を空けさせる。彼女たちの世界は現実世界にとっては異物であっても決して排除は出来ない。むしろ侵食され、排除されるのは現実の方なのかもしれない。エンマは古川氏の描く少女のたちの中では比較的大人しい方の部類に入ると思う。彼女は普通に生きているだけ。猫のように。

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2009/10/04

初めて、古川日出男の小説を読んだ。初めて村上春樹の小説を読んだ時の事を思い出した。その世界に慣れるまで表面をかするだけで内部に入れないような独特の感触。でも慣れてしまえば、そうでしかありえないと思えるようになる。そんな作家だなぁと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

装丁がネコのアップ写真だからという点だけで選んでしまった。 何も前提知識なしに読んでみた。匂いと映像というのがちりばめられていて、(その匂いを私が知らないと言うせいもあるかもしれないが)どちらも視覚的に入ってくるのが面白い。 (2002.8.10)

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