「超」怖い話彼岸都市 の商品レビュー

デルモンテ平山(著者)

2021/08/12

勁文社から発刊された『新「超」怖い話』シリーズ第９弾。
2000年作品。

メイン執筆者がデルモンテ平山(平山夢明)氏で、一部加藤一氏。

前作が体験談の濃度かなり濃い目だったので、期待値があがってしまったせいか、ちょっと期待外れ。
怪談のど真ん中をちょっと外したような、緩い変化球的な感じがありました。

ど真ん中の曰く付き物件怪談だと思わせておいて、神話的展開を思わせる「コロが出る」がとにかく素晴らしい。
祟る何かを封印した塚、その塚を平気で破壊する人間たち、封印を解かれて現れる何者かと、その何者かを平気で傷つける人間たち。
長編小説、もしくは、諸星大二郎先生の漫画で読みたいような歴史ドラマを感じさせるストーリーを、たった６ページの体験談で垣間見せてくれるという珠玉の一編。

2009/10/04

【目次】
まえがき
遊び場／あちらでのこと／雨／ある部屋／異界／井戸／海の家／映画館／駅／お葬式／火災調査／河童／疳の虫／キッチン／勤務先二題／ケータイ二題／小人二題／山間バス／死角／自転車／終のとき／写真二題／修学旅行／スターマン／砂場／銭湯／ダウンロード／祟り／建て売り／旅の宿二題／電話／飛ぶ女／泥棒／ネズミ／能面／のぞき／花／秘訣／百鬼夜行／双子の先生／マンホール／見えすぎ／右手／野次馬／山の境界のこと／夜道／ロクちゃん
あとがき