大王から天皇へ の商品レビュー
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-05/13/2006 5世紀の倭五王時代から7世紀後半壬申の乱を経て、古代天皇制成立の天武期までをかなり詳細にカバ-する。 昔なら史実としてはほとんど藪の中だった世界が、60年代以降の考古学や歴史的考証のめざましい発見や知見によって、学としてほぼ整理された形で読めるという意味では、こびりついた旧い知を洗張りにかけるようで、新鮮かつ愉しめる読み物となった。
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高校教科から一歩先へ。大学へのスムーズな導入。 大学の「日本史特講Ⅱa」の参考書として使用。律令制への過渡期とそれ以前の政策と歴史を記述する。国造制、部民制の基本構造がよくまとまっている。 時の流れに沿ってテーマごとにまとめられ、受験日本史と大学をつなぐ教科書として適当である。...
高校教科から一歩先へ。大学へのスムーズな導入。 大学の「日本史特講Ⅱa」の参考書として使用。律令制への過渡期とそれ以前の政策と歴史を記述する。国造制、部民制の基本構造がよくまとまっている。 時の流れに沿ってテーマごとにまとめられ、受験日本史と大学をつなぐ教科書として適当である。受験で暗記した用語の意味がわかるようになるが、大学の授業でやるような各論や批判検討にまで深入りはしない。大学の低学年で導入に読んでおくとよいだろう。 通説を淡々と述べるわけでもなく、中途半端に批判・考察がなされるが、根拠を詳述して議論するわけでもなく、立場(コンセプト)が曖昧なところが残念である。記紀批判をする一方、そのまま現代語訳したような文章があって不可解。学界の論点の流行り廃りなどどうでもよろしい。 目次 0.「天下」の支配者 1.列島と半島と大陸―東アジア世界の中の倭国 2.「治天下大王」の登場 3.自立する倭王権 4.王権の転機 5.律令国家への歩み 6.「天皇」の出現
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講談社版「日本の歴史」第3巻は、倭の五王の時代から天武天皇の即位までを扱う。最新の発掘調査や同時代の海外の資料を元に説き明かされる古代史は、驚きの連続だ。文字通り、東夷の国であった時代から、白村江の闘いなどを経て律令国家への道を歩み始め、文武の時代に天皇号と日本の国号が生まれる。...
講談社版「日本の歴史」第3巻は、倭の五王の時代から天武天皇の即位までを扱う。最新の発掘調査や同時代の海外の資料を元に説き明かされる古代史は、驚きの連続だ。文字通り、東夷の国であった時代から、白村江の闘いなどを経て律令国家への道を歩み始め、文武の時代に天皇号と日本の国号が生まれる。特に、天皇が神となったのはこの時代と断定し、人為的に作られたとした指摘は心に残った。
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倭の5王の時代に始まり「任那日本府」の真相、「高句麗・好太王碑文」の真相、大化の改新、聖徳太子の実在性、「天皇」の名前の由来、万世一系の真実などを解き明かしていきます。著者の結論は極端ではなく、極めて常識的なものですが、最後の1文は印象的です。「天皇制は列島の歴史に本来備わっていたものでも、自然に誕生したものでもなく、特定の歴史段階に人為的に作り上げたものであったこと。そして神としての天皇、神の国は敗戦という歴史状況とともに役割を永久に終えた。」と。このような宣言が堂々と出来ること自体が許される時代であることを喜びたいと思いますが、先日のある政党の改憲案に「天皇元首制」の復活が書かれていること、東京都における日の丸・君が代拒否の教師に対する処分を思うときに暗澹たる気分になります。ちなみにこの本の出版は2001年1月。森首相の神の国発言の直後のことです。特に面白かったのは継体天皇の就任そして死亡の謎についての記載。継体天皇が息長氏出身であること。そして死亡時期が書物により割れており、その後の安閑・宣化と欽明の王統分裂が想像できるとのこと。古事記、日本書記だけではなく、それ以外の記録を求めての記述であるだけに、迫力があります。いかに権力争いにあけくれた天皇家であったかが分かります。推古・皇極天皇という女帝が出現したことも、有力者を即位させないための陰謀だったというのは今や常識でしょうが。私たちは日本書記の歴史観にかなり左右されていたということを痛感します。
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大山説の聖徳太子実在論をめぐって、参考文献に選んだ一冊。熊谷氏は、史的問題よりも、法隆寺の再建と言った太子信仰の問題に重きを置いているようだ。
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ヤマトの国の一豪族だった大王が、いかにして天下の支配者になったのか、天皇誕生のカラクリが少しわかりました。 また、今までの知識が間違っていたこともこの本でいろいろ判明しました 一番は、中国と日本の関係。 てっきり古代はずーっと冊封体制が敷かれていたのかと思っていたのに、実は...
ヤマトの国の一豪族だった大王が、いかにして天下の支配者になったのか、天皇誕生のカラクリが少しわかりました。 また、今までの知識が間違っていたこともこの本でいろいろ判明しました 一番は、中国と日本の関係。 てっきり古代はずーっと冊封体制が敷かれていたのかと思っていたのに、実はそうではなかったのです。 そうしなければアジアで生き残れないと思っていたので、この事実は衝撃的でした。 白村江での敗戦で半島や大陸との連合を諦めたわけではなく、そのもっと以前から日本は独自の道を歩む選択をしていたのです! 確かに日本は地理的に恵まれています。 だけどそれだけではなく、外交手腕もなかなかのものでは?と思わされました。 情報収集もその分析能力にも長けていないとこんな選択は出来なかったんじゃないの?!と思うからです。 外交つながりでもっと言うと、任那、というか任那日本府の存在は全否定されてました。 それはなんとなく受け入れきれません・・・だってー、1年前位にNHKでも任那についてやってたもん。 当時の中国大陸や朝鮮半島との関わりあいについてもっと勉強したくなったけど、今は古代天皇について調べてるからこの辺りは後回しです~
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これ読んで古墳大好きになりました。 天皇の系図も好きになりました。 神話も好きになりました。 歴史としての天皇をとらえると神話なんかよりよっぽどロマンがあるんです。
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日本の歴史(第03巻) 大王から天皇へ 古墳時代〜飛鳥時代 ISBN:9784062689038 ・熊谷公男(著) 講談社 2001/01/10出版 374p 19cm(B6) ◆要旨 (「BOOK」デ−タベ−スより) 王権の飛躍「現神」への道程。いま、「日本」を問いなおす...
日本の歴史(第03巻) 大王から天皇へ 古墳時代〜飛鳥時代 ISBN:9784062689038 ・熊谷公男(著) 講談社 2001/01/10出版 374p 19cm(B6) ◆要旨 (「BOOK」デ−タベ−スより) 王権の飛躍「現神」への道程。いま、「日本」を問いなおす。 -------------------------------------------------------------------------------- ◆目次 (「BOOK」デ−タベ−スより) プロロ−グ 「天下」の支配者 第1章 列島と半島と大陸-東アジア世界の中の倭国 第2章 「治天下大王」の登場 第3章 自立する倭王権 第4章 王権の転機 第5章 律令国家への歩み エピロ−グ 「天皇」の出現
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