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パリのおいしい台所 の商品レビュー

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2009/10/04

料理の本というものに対しては、わりと望みが高い。実用に耐えること。いやその、奇麗なばっかりで使えない料理本って結構買ってしまうもんで。作ったらおいしいこと。これは作る人間の腕にもよるな。でもいっぺん、材料読んで「ほんとにこれでうまいのか?」と疑いつつ作ったら、ほんとにまずかったこ...

料理の本というものに対しては、わりと望みが高い。実用に耐えること。いやその、奇麗なばっかりで使えない料理本って結構買ってしまうもんで。作ったらおいしいこと。これは作る人間の腕にもよるな。でもいっぺん、材料読んで「ほんとにこれでうまいのか?」と疑いつつ作ったら、ほんとにまずかったことがあった。それに、ありきたりでない新しい発見がないと嫌。TIPSでいいから、「をを、なるほどねえ」がないとね。その上写真が奇麗で、料理に一貫したスタイルがある、というのが欲しい。よくばりっ。インスパイアされる、料理を作りたくなるのが理想の料理本だ。それなんでよく文化出版局にしてやられることになる。でもいいの。上野万梨子好きさ。シンプルでスタイルがあっておいしくて奇麗。それに親切だ。例えば「黄味は室温にしておくと油と分離しません」まではみんな書くけれど「もし冷たかったらボールに入れて遠火であたためるとよい」までいってくれる。4〜6時間低温のオーブンで乾かすお菓子について「発作的に作り始めてしまうと乾くまで夜中じゅう眠れなくなります」とコメントをつける、なんというか同病相憐れむ親切さ。なんのこっちゃ。

Posted byブクログ