日本をどう変えていくのか の商品レビュー
『日本社会はどこへ行く』(岩波新書)の姉妹編。前著では、1980年代の日本社会が直面するさまざまな問題が取り上げられていましたが、本書ではその後の経過を踏まえるとともに、市民派の法学者として知られる著者が、それらの問題を打開する政策提言を示しています。 本書の特徴としては、「国...
『日本社会はどこへ行く』(岩波新書)の姉妹編。前著では、1980年代の日本社会が直面するさまざまな問題が取り上げられていましたが、本書ではその後の経過を踏まえるとともに、市民派の法学者として知られる著者が、それらの問題を打開する政策提言を示しています。 本書の特徴としては、「国民のための司法改革」というテーマに一つの章が当てられていることが挙げられるように思います。日本の裁判は、司法行政権を持つ強大な司法官僚制によって支配されていると述べられ、市民の代表としての弁護士の役割に期待が寄せられています。 いずれの議論も納得のできる点が多かったのですが、紙幅の関係上やむをえないこととはいえ、一つひとつの論点が十分に掘り下げられていない憾みがあります。
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