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アメリカン・タブロイド(上) の商品レビュー

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2009/12/26

アメリカ文壇会の狂犬、ジェームズ・エルロイが暗黒のLA4部作に続くアンダーグラウンドUSA3部作の1作目にあたる作品。 今シリーズは舞台をLAからアメリカ全土、果てはキューバまで広がります。 舞台に置かれる駒はというと、ケネディー一家、CIA、FBI、シカゴマフィア、マフィアに繋...

アメリカ文壇会の狂犬、ジェームズ・エルロイが暗黒のLA4部作に続くアンダーグラウンドUSA3部作の1作目にあたる作品。 今シリーズは舞台をLAからアメリカ全土、果てはキューバまで広がります。 舞台に置かれる駒はというと、ケネディー一家、CIA、FBI、シカゴマフィア、マフィアに繋がる労働組合、キューバのフィデル・カストロ。 それぞれの思惑、謀略を軸に物語は複雑に絡んで転調していきます。 上記の駒に翻弄される主人公が3人。 ピートポン・デュラント(フランス人、大男、女衒、薬の手配屋、ゆすり屋、弟殺し、ハワード・ヒューズの用心棒) ケンパー・ボイド(FBI特別捜査官、野心家) ウォード・リテル(FBI特別捜査官、法律家、神学校出身、ケンパーの弟分) この3人の視点を順に変えながらから物語が語られ、報告書やタブロイド紙の記事をはさみ間幕を脚色しています。 1958年~1960年の間に起こったマクレラン委員会、ピッグス湾事件、ケネディー就任前までを上巻では描かれています。 文体はホワイトジャズのような細切れにされた文体ではなく、読みやすくなっています。 しかし狂犬の名に恥じぬ暴れっぷり、プロットの緻密さは健在。 序盤は読みづらいがある程度の設定を理解してしまえば最後まで一気に引きずられていきます。

Posted byブクログ