なぜ、いじめっ子は殺されたのか? の商品レビュー
1998年発行。 ヒューストン・クロニクル誌のジム・シュルツ記者が書いた、「ボビー・ケント殺害事件」についてのノンフィクション作品。 ラリー・クラーク監督作品『BULLY/ブリー』(2003年日本公開)が衝撃的かつ傑作だったので、原作本である本書を読んでみました。 読み終えて...
1998年発行。 ヒューストン・クロニクル誌のジム・シュルツ記者が書いた、「ボビー・ケント殺害事件」についてのノンフィクション作品。 ラリー・クラーク監督作品『BULLY/ブリー』(2003年日本公開)が衝撃的かつ傑作だったので、原作本である本書を読んでみました。 読み終えてみると映画の内容とほぼ同じなのだが、映画には描かれていなかった細部がとても興味深い。 ボビー・ケントとマーティ・プーチョはYMCAジムで一緒に筋トレをしていたのだが、ステロイドを服用していて、副作用として暴力的になっていた可能性がある事や、リサ・コネリーの前に現れたマーティ・プーチョがいかに理想の相手だったかなどが、特に面白かった。 映画にも描かれていた通り、ボビー・ケントは病的にイカれてたサイコ野郎で、こんな人間が世の中に他にも存在しているであろうと想像すると、生きているのが嫌になる。 知的障害者や老人の頭にボールをぶつけていじめたり、女の子のゲイのセックスビデオを無理なり見せながらレイプしたり・・・考えられないくらいのゲス野郎です。 17歳~20歳の犯人たちの計画の杜撰さもすごいが、まあ持って生まれた才能の限界だったんだろうと思う。どの親も子供に手を焼いていたようで、子育てって本当に大変なんだろうと想像する。犯人たちのほとんどの親は、裕福な部類の入る人達だった。 逮捕されてたあとの罪悪感のなさにはあきれてしまったが、無知な人間は世にあふれているので、なるべく関わらずに平和に暮らしたいものです。 小説のように面白い作品に仕上がっているのは、きっと作者が上手いんだと思う。 映画を観て興味を持たれた方や、ノンフィクションが好きな方には是非オススメしたい作品です。
Posted by
- 1