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コローの風景 の商品レビュー

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2021/06/20

コローを扱っている本は殆どない。そういう意味で、本書は珍しいものだ。しかし、解説は20頁に留まり、後半は全てカラーの図録となっている。コローといえば「大農園」「モルトフォンテーヌの思い出」といった、銀灰色の穏やかな光と柔らかな木々の絵画を連想する。しかし、本書では習作、都市の絵や...

コローを扱っている本は殆どない。そういう意味で、本書は珍しいものだ。しかし、解説は20頁に留まり、後半は全てカラーの図録となっている。コローといえば「大農園」「モルトフォンテーヌの思い出」といった、銀灰色の穏やかな光と柔らかな木々の絵画を連想する。しかし、本書では習作、都市の絵や人物画も紹介もあり、新しい発見があった。コローの初期の風景画には、必ず主人公がいる。一見粗く見える画でも、驚くほど精緻な光加減と巧妙な色使いにより描かれている部分がある。 生涯とおして西欧を旅歩き、時にクロードやオランダ絵画の流儀に影響を受けながら、自身の真理を追究していったさまが分かった。余談だが、ポストロマン派とでもいうべきコローが、初期ロマン派のシューベルト同い年だったことに気づき、少し驚いた(作曲家が早熟で夭逝し、画家が大器晩成型だったとはいえど…)。

Posted byブクログ