ゼンゼレへの手紙 の商品レビュー

J・ノジポマライレ(著者),三浦彊子(訳者)

2020/01/07

とても親しい友人がいる
一人はブルキナファソの
もう一人は南アフリカ共和国の
どちらも　すばらしい演奏家である

その彼と
「人が生きていること」
「人が人らしく生きること」
「故郷を離れて異郷の地で暮らすこと」
などを折に触れ
話し込むことがある

彼には幼い子供がいて
ゆくゆくはその子たちに
お父さんの国の話を
しっかりしたいと
話してくれる

そんなこんなの話をしていく中で
この「ｾﾞﾝｾﾞﾚへの手紙」の存在を
知った

私たちは
家族の話をしているだろうか
私たちは
自分の国の歴史を踏まえた話を
私たちの子供たちに
ちゃんと伝えているのだろうか
私たちは
どんな国を目指しているのだろうか

人が人として人らしく生きる
そのために
今　私たちはどんなことを考え
今　私たちはどんなことをしているのか
今　私たちは…

そんなこんなを
きちんと　考えさせてもらえる
素晴らしい一冊です

2010/08/15

アフリカ南部のジンバブエ。ローデシアという植民地時代の英国風の名前から激しい闘いの末に独立をもぎっとた国。1人のジンバブエの母親がハーバードに留学している娘に宛てた手紙。独立を勝ち得たことを誇りに思う一方で、新しい価値観のもとで成長する娘にとまどいを持つ。それでも祖先から受け継いだ伝統と英知を子に伝えようとする。

何故だろうか､とても感動して涙があふれてとまらなかった。アフリカの強い心とか何事にも恐れずに向かっていく人たち。この主人公の母親のように蔭で支える人達。何がひとをそこまでの行動に追いやっていくんだろう。新しいことに夢中になって、古き良きものを忘れてしまっている日本そのままに思えた。

2009/10/04

アフリカ文学の授業で読まなくてはならなかった一冊。これが読んでみると、良い！！！けど、こんな長い手紙をもらったら、正直困る(*△*;)