若い詩人の肖像 の商品レビュー
烏兎の庭 第二部 書評 2.24.06 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto02/bunsho/itoseiy.html
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叔母と一緒にいる時にこの本を出して読もうとしたら、「伊藤整の代表作って何?」と問われて困ってしまった。 伊藤整の名前は有名だし、学校で習う人物なのに代表作というものが浸透していない作家であるように思う。そもそも伊藤整という人物について学校ではどのように習ったのかも覚えていない。 ...
叔母と一緒にいる時にこの本を出して読もうとしたら、「伊藤整の代表作って何?」と問われて困ってしまった。 伊藤整の名前は有名だし、学校で習う人物なのに代表作というものが浸透していない作家であるように思う。そもそも伊藤整という人物について学校ではどのように習ったのかも覚えていない。 私が伊藤整の作品を読むのはこの本が初めてで、全くと言っていいくらいに伊藤整自身のことを知らずに読んだ。 とても興味深くおもしろかった。 少しのフィクションと架空の人物があるらしいが、ほぼ伊藤整の自伝的小説で、伊藤整の関わった多くの作家たちの繋がりがとても興味深かった。 伊藤整と同じ学校に小林多喜二がいて、伊藤整の自伝でありながら小林多喜二についても識ることができる。 同じ様に芥川龍之介や梶井基次郎や高村光太郎やその他たくさんの作家たちの一面を見ることができる。それが本当におもしろい。 他人(友人や同僚や作家たちなど)についての伊藤整の書き方は評論のような書き方で、一刀両断まっすぐな意見を述べ、作品と創作への考え方を含めた性格を前面に推した書き方をしているのが素晴しいと思う。分析するのが得意な伊藤整だからできたことだと思う。 この本の中で小林多喜二らたくさんの作家たちはみんな生きていて、その魅力を存分に振りまいている。そこがこの本の一番の魅力に感じる。 この時代の北海道の風景や生活もとても興味深かったし、その時代の文壇についても興味深かった。 伊藤整青年の性格や考え方に共感するところもあった。若い頃の、絵でどうにか有名になりたいと願っていた頃の自分と重なる部分が多々あり、読みながら「わかるな〜」と唸ってしまうようなところがいくつもあった。 明治大正文学が好きな方にはおススメの本。読んで損無しの一冊。
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若い詩人は伊藤整のことである。 肖像画の描き方は 自分を自分の内側から見ている。 自分をさらけ出して描いている。 その肖像は自画像であって、自画像を客観性をもって 描けていない。その自画像を静止させて描くのではなく ある方向性を持って描いている。 自叙伝であり 個人に始まり個人に...
若い詩人は伊藤整のことである。 肖像画の描き方は 自分を自分の内側から見ている。 自分をさらけ出して描いている。 その肖像は自画像であって、自画像を客観性をもって 描けていない。その自画像を静止させて描くのではなく ある方向性を持って描いている。 自叙伝であり 個人に始まり個人に終わっている。 他人のことを描かれているような題名であるが 自分のことを詩人と呼び、その自画像を書くことの 意味はどのような想いだったのだろうか。
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著者の自伝的小説。高校の国語の教科書にも一部、掲載されていた。がどこか良くわからなかったのですが、たぶん芥川龍之介の部分(p.372以降)だったと思います(たくさん、作家の名前が出てくるのはこのあたりなので)。“詩人”とは、こんな感じな恋愛事情だったんだろうな、と思える男の子な青...
著者の自伝的小説。高校の国語の教科書にも一部、掲載されていた。がどこか良くわからなかったのですが、たぶん芥川龍之介の部分(p.372以降)だったと思います(たくさん、作家の名前が出てくるのはこのあたりなので)。“詩人”とは、こんな感じな恋愛事情だったんだろうな、と思える男の子な青春でした。
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かなり正直ですね!文筆家でも派閥を気にしたり自分より相手のほうがどこどこの点で優れているとか葛藤がかなりあるのだなと思いました。人生自身一つの小説のようなよい作品だと思いました。
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