龍臥亭事件 の商品レビュー
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僕は御手洗がいないと全然だめな能無し弱虫ダメおじなんだ……って泣く石岡さんに胸が痛む。石岡さんの話を聞いている限り、御手洗さんは石岡さんのことを本当になんだと思ってるんだろうと不安になる。でも石岡さんは、御手洗さんからのヒントと励まし?の手紙一通を支えに事件を解決して、名探偵のように村を去っていった!石岡さんが少しでも自信を取り戻したこと、御手洗さんの思いやりが感じられたこと、とてもホッとした。 だめじゃないよ、できるよ、そう言ってくれる人って大事。ダメなやつだな、バカだなって優越感に酔いたいのも、ほどほどにしないと。殺される。
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読もう読もうと思って、その重量になかなか手をつけられなかったけど、読み始めてみるともう一気に!という感じ。 正直御手洗探偵が手紙のみの登場とあって、凡庸な石岡くんのみでは退屈してしまうのではないかと懸念していたのですが、失礼しました! 石岡くんの凡とした感覚や、憎めない反応にたまにくすりとさせられ、なにより探偵の存在を欠いたことで自分を見つめなおす彼の自己分析から、探偵への畏怖と依存を振り返ったうえで自信と人間性を回復する様がよかった。ラストは、感情がぐちゃぐちゃになってしまうかんじが秀逸だった。 この長さでも、冗長さを感じさせないのはさすが。 これまでの作品の中でもかなりバイオレンスだし、性的な話題が多くいろんな意味で刺激的。
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久しぶりの御手洗シリーズ。 御手洗シリーズはアトポスまで読んでずっと放置していたのですが、久しぶりに読んでみたくなり手に取りました。 …厚い…笑。 今回は御手洗さんは電報と手紙のみの登場で石岡君の為の物語でした。 ノンフィクション(津山三十人殺し)とフィクション(龍臥亭事件)を絡めた素晴らしい島田節で時間はかかったものの、飽きずに最後まで読み切れました。 読者が挑戦する本格ミステリでは無く、石岡君が最後まで一人でボロボロになりながらも頑張って突っ走るミステリです。笑 従来の現代的な御手洗シリーズとは違い裸電球の黄色い霞掛かった雰囲気の中で展開していく猟奇的な殺人事件は横溝作品や江戸川乱歩に通ずるものがあります。 ずっと幽霊や祟り、因縁だと思われていたぼんやりとした事件の概要が石岡君によって少しずつ形取られていく様は思わず応援したくなりました。 そして津山三十人殺しの真実も知らなかった。 石岡君はひとりでよく頑張った。 でもやっぱり御手洗さんあってこその石岡君だと思った。 私の中での日本のベストワトソン役はこの人だと再確認。
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陰惨で哀しい物語を背景にした本書。 登場人物も舞台も横溝正史の香り漂ってます。 島田作品の主な探偵役、御手洗潔シリーズではありますが 他作品を読んでいなくても充分楽しめるのではないかと。
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御手洗潔モノ。実在の事件「津山三十人殺し」をモチーフに、密室殺人や人体消失などの不可能犯罪に挑む。この人の事件には偶然が重なることが多いですが、この謎解きも「そんな」と言ってしまいたくなります。でも、それを含めて人が思いつかないような壮大なトリックが島田作品の醍醐味だから、十分堪...
御手洗潔モノ。実在の事件「津山三十人殺し」をモチーフに、密室殺人や人体消失などの不可能犯罪に挑む。この人の事件には偶然が重なることが多いですが、この謎解きも「そんな」と言ってしまいたくなります。でも、それを含めて人が思いつかないような壮大なトリックが島田作品の醍醐味だから、十分堪能できるんですが。水晶のピラミッドあたりから物語の雰囲気づくりのような感じで挿入話がかなりのページを割いて入っているんですが、この「三十人殺し」の話も単独で面白い。最後のシーンで「あ、この人って!」という驚きが待ってます。
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とにかく分厚い!途中、ニガテな心霊モノ?と思ったが、頼りない主人公ながらもきちんと解決してくれました。津山の30人殺しをモチーフにした作品です。
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上下巻読了。 久々に壮絶な殺人事件にでくわした気がします。 しかも大胆な殺人です。途中から少し先が読めるような気になりましたが。 それにしても、真の探偵であるあの方が最後まで直接はでてこないとは驚きました。
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ミステリを書きたかったというより、寧ろ『津山三十人殺し』について描きたかったのではないかと思う程、津山三十人殺しの犯人について、大幅に頁を裂いている。まぁ知らなかったことを好きな著者を通して知ることが出来て良かったかな。と無理矢理納得してみた。
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