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ガルシア・ロルカの世界 の商品レビュー

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2014/11/01

 ロルカの世界、スペイン文化、アンダルシアの気候などを感じることのできる一冊。  生誕100年にあたる1997年を記念して編まれた論考集。日本人の詩人、作家、劇作家、フラメンコ舞踊家、大学講師など文学研究者が、各々の目線で彼の魅力や想いを綴る。次はメモとして:  カンテホンド(...

 ロルカの世界、スペイン文化、アンダルシアの気候などを感じることのできる一冊。  生誕100年にあたる1997年を記念して編まれた論考集。日本人の詩人、作家、劇作家、フラメンコ舞踊家、大学講師など文学研究者が、各々の目線で彼の魅力や想いを綴る。次はメモとして:  カンテホンド(CanteJondo)。ファリャを中心としてロルカなど当時の一流文化人が提唱し、グラナダで1922年にコンクールを開催。その規模と歴史的意義においてひときわ他に抜きん出たものだったらしい。 ———カンテ・ホンドとは、ジプシーの魂の叫びといわれるシギリージャスなど、暗い宿命、死、嘆きがテーマの、フラメンコで特に重要とされる歌をいう。  自分がPaco de Luciaを聞くとき、どちらかというと、女性の歌唱のない曲を好んでいたのでドキッとした。  木島 始さん(詩人)———日本語以外でかかれた詩で、またはその訳詩で、わたしが、最もしばしば読み返すのは、第一にくるのがウイリアム・ブレイクの「虎」、第二には、何ともふしぎなのだがボリス・パステルナークの「有名になるのは醜いことだ」という第一行目を持つ訳詩、第三番目が、ガルシア・ロルカの「不実な女房」なのだ。・・・この川べりの情事の唄は、どきどき、わくわく、どんな映画監督の名手よりもドラマティティックなカメラワークを見せる詩だ。(*括弧部は省略)  ガルシア・ロルカと宮沢賢治。ともに若くして亡くなった同時代人を対比させた本田誠二さん(神田外語大学教授)。内的苦悩との孤独の戦い、熱、純粋さ、その符合。それぞれに惹かれる訳に気づく。

Posted byブクログ