ロシア思想史 の商品レビュー
ロシアの持つ、強烈なメシア意識に焦点を当てる。 ・正教への熱烈な信仰・カトリックへの敵意 ↓ ギリシャ正教も”裏切り” ↓ 正教はロシアのみ 熱烈で、非常に閉鎖的。 2章 ピョートル大帝 西洋への傾倒「ロシア国民は西欧文明に溺れず、消化できるはずだという洞察」→ロシア...
ロシアの持つ、強烈なメシア意識に焦点を当てる。 ・正教への熱烈な信仰・カトリックへの敵意 ↓ ギリシャ正教も”裏切り” ↓ 正教はロシアのみ 熱烈で、非常に閉鎖的。 2章 ピョートル大帝 西洋への傾倒「ロシア国民は西欧文明に溺れず、消化できるはずだという洞察」→ロシア国民は全人類を結合させるという、高邁な目的のために”受け入れた”(ドストエフスキー)という解釈 3章 ピョートル大帝の西欧化への反発から、ロシアへの回帰 4章 後発の利益とロマン主義 ロシアは西欧より遅れて出発したが、だからこそ西欧の誤りを避けられるという後発の利益を主張→西欧の欠点を正そうというメシアニズムを発揮 「私たちはヨーロッパの肉体だけでなくその魂おも救わねばならないのです(シェリング)」 ロマン主義との繋がり ロマン主義(個の尊重)⇔啓蒙主義(普遍主義) 5章 空白?堤防? チェダーエフ:(ロシアは)西欧が基礎を築く前に野蛮な国に支配されていた「空白」 空白→未来への可能性⇒ロシアだけでなく、ヨーロッパ全世界のために、全世界のために⇒西欧の問題を”解決”すべし プーシキン:ロシアがタタールからの「堤防」となって、西欧は成長できた 6章 ロシアなくして、ヨーロッパに平和なし ニコライの対外政策⇒西欧列強へ進んで入る/西欧以外でロシア勢力を拡張 チュッチェフ(ドイツ外交官):ドイツは冷たい/ロシア国民は無私無欲 キリスト教の中で正教だけが謙虚であり、だからロシア国民だけに特別の使命が与えられている。一方その正教的使命を帝政の国家主義的な拡張政策と結びつけた。 革命(反キリスト←うぬぼれ)vsロシア(キリスト) 7章 西欧の欠陥を補うロシア キレエフスキイ ロシア正教”全一性” カトリック”分析的” 「魂のそれぞれの部分のひとつの力に集中し、理性も意志も感情も良心も、すべてが生きた統一体に融合するようなそういう存在の内的中心を探すこと」⇒シェリング ⇒ロシアの「貴重なものを、人類の作った価値あるものと組み合わせ、新しい世界的な文化を作ろうという方向になった」 ⇒ロシアの使命 クリミア戦争は「聖戦」(ただし、敗戦) ヴェーラ:ロシアの存在的意義の放棄 ボゴージン:熱烈なスラブ礼賛・スラブの解放、救済 「ロシアはスラブ連邦建築のイニシアチブを取り、それを外敵から守る特別後見人となって、連邦を統率していくのだが、その強大な専制国家ロシアを代表し、象徴する皇帝、そういう像が一方にあった」 11章 なぜヨーロッパはロシアを恨むのか ダニレフスキイ 「ロシアに向けられた西欧の憎悪は根拠なく、ロシアがスラブ民族を統合して、ヨーロッパに立ち向かうのは当然」 なぜ人気? 40年代 観念的、理想主義的な議論 60年代 現実的な行動 ↓ ナショナリズムに「科学」の装い:文化―歴史類型という論 ロシア 1強大な帝国 2国民は無私(安定した農村共同体) 12章 ロシアの聖なる使命を完遂せよ アクサーコフ ロシアはスラブ民族の解放者である。ロシアが解放「してやる」 13章 コンスタンチノープルを所有せよ! ドストエフスキーの「作家の日」で上記スローガンを熱烈に叫ぶ ロシアには3つの時期がある 1モスクワ・ロシアの時期:宝物(正教:100%正しい)保存の時期 2キリストを守るのが「ロシアしかいない(カトリックではない)」 3強力な力をつけ、ロシアの宝物を西欧に、全世界に伝えることによって、全人類を救うというロシアの事業が始まる 熱烈なドストエフスキーに対して、冷静なトルベツコーイ 「ロシアは唯一の民ではなく、数ある国民のひとつと考える」
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