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日本の選挙はなぜ死んだのか の商品レビュー

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毎回、投票率が低い選…

毎回、投票率が低い選挙。その原因は一体なんなのか。この本で少しわかった気がする。

文庫OFF

2014/01/15

 社会科学系の書籍、とくに政治が絡むものは、基本的に著者の経験によって培われた思想によって解釈された記述がなされているということを認識するべき。したがって、一冊の本に書かれたことをすべて鵜呑みにすることは避けたほうがよい。さらに、読者とは反対の立場の人が書いた本を一冊読んだだけで...

 社会科学系の書籍、とくに政治が絡むものは、基本的に著者の経験によって培われた思想によって解釈された記述がなされているということを認識するべき。したがって、一冊の本に書かれたことをすべて鵜呑みにすることは避けたほうがよい。さらに、読者とは反対の立場の人が書いた本を一冊読んだだけで、その読者が考え方を百八十度変えるということもあまりない。肝心なことは、多くの考え方や解釈に触れることによって、自分の思想を少しづつ「練り」「磨き」「揺らし」ながら「整えて」「形にする」ことなのではないかと思う。本書も「何言ってんだ。これだから○○新聞の記者は・・・」と反対の立場の人からの反論もあるだろう。しかし当時の状況の分析は非常に緻密であるし、それを現在に当てはめてみれば「人間は同じようなことを繰り返す」ことがよく理解できるはずである。あたしにも毛嫌いせざるをえない論調の文章がある。それでも、できる限りそういった文章に触れるようにすることで、見えなかったものが観えてきたという経験もあるのだ。理想としては、公平な立場から一般的な体系を構築し、それをうまくまとめた著書があればよさそうなものだが、一人の人間が書く以上その人の思想が前面化してしまうのはやむをえないし、たとえ共著でも同じような立場の人が集まってしまうことがほとんどだろう。そうなると、読者それぞれが自分の選択眼を磨きながら、多くの著書に触れて自らの体系を構築していくことが現状での最善策といえる。それがおもしろくもあるのだけれど。

Posted byブクログ