死神 の商品レビュー

清水義範(著者)

2011/07/16

有名人の死、お葬式をめぐるブラックユーモア。と本の帯にはあるんだけど、それほどユーモア感じなかったなあ。2流の役者夫婦が偶然臨終の場に立ち会ったことから葬式に集まったりポーターたちに答えたりや追悼番組に出演し使者のことを語る。たぶんにご都合主義な彼らはそうやってマスコミに名を売ることも死者への追悼と考える。そうやって死者を讃え彼らの魂を癒しているのだと。死んだ人は霊になる。その霊を慰めるためにいい思い出だけを語る。大いに嘆き悲しみその人の徳を讃える。あれ、これって京極堂も薀蓄の中で言っていたような。死神とは死んだものを慰め鎮めてあの世へと導くものなのでは。そういわれればそんな気もしてくるなあ。