ヤンのいた島 の商品レビュー
小国が生きるすべはなにか?この本では4つのシナリオを提示してくれるが、どれも苦難に満ちたシナリオだ。日本も落ちるところまで落ちたら観光立国でなんとかと思ったが、この本を読んでからは、そんなに甘いものではないと思い知った。IMFの恐ろしさも含めて。
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感想はブログにて。 http://croco.blog14.fc2.com/blog-entry-180.html
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読まされますし、展開も速い。特に現実以外の他3つイシャナイ像の可能性を含む夢のどれもが、引けをとらない悪夢。果たして現実とその他3つの夢、あわせて4つのイシャナイの姿はどれがいい?どれも悪夢だけどね。そう言われているようで逃げ場がない。結局、何かを・・・例えば戦争を回避したとしても他の問題は必ず起こりうるのだ、きれい事だけではない、そうつきつけられているようで。油断していると、ガツンとくる本です。
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世界はぼくらを憎んでいるのだろうか 舞台は南半球にある小さな島国。近代にようやく発見されたその国には、まだ未開の自然が残り、他国より生物調査団が派遣される。 その一員として、想像上の生物の存在を確かめようと意気込んできた一人の調査官は、内戦中の厳しい監視をくぐり抜け、一人調査へ...
世界はぼくらを憎んでいるのだろうか 舞台は南半球にある小さな島国。近代にようやく発見されたその国には、まだ未開の自然が残り、他国より生物調査団が派遣される。 その一員として、想像上の生物の存在を確かめようと意気込んできた一人の調査官は、内戦中の厳しい監視をくぐり抜け、一人調査へ乗り出す。そして、彼女は潜伏するゲリラに捕まり、彼らと共に行動し、その国のいくつかの可能性の目撃者となる。 最初は発展途上国の民族アイデンティティ確立のような話かと思っていた。 瞳子の無鉄砲な身勝手さに呆れつつも、これが日本人が夢見がちと言われる所以なのかもしれないと他人事と思えず読んでいた。 考えや理論だけで戦闘を行うわけではなく、生き残るためなら正道を通ることなんて出来ない。 ドラマティックな生死を賭けた場面ではなく、圧倒的に力を持つ立場で捕虜を尋問し殺害する。 これを止めるのは部外者と、経験の少なさで言えることで、当事者であれば殺すしかないこともあるようだ。 (それが非難され、間違っていて、自分もそれをしたくないと思っていても) このようにつらつらと、情報としての戦闘と、現代の日本に生きているギャップに思いを巡らしながら読んでいた。 しかし、時折出てくる夢の世界。そして、ヤンという存在の意味。 これらが繋がったとき、どうしようもなく、やるせない。 「他の国もそう」、「少しずつ何かを変えていくしかない」、「あなたが現実にこうしていることは間違っていない」 これらの言葉は正論かもしれない。それか、これ以上のことは言えないかもしれない。 けれど、圧倒的な現実の前にはあまりに脆い。 経済の失敗、蹂躙された国土、民族性の消滅、激化する内戦。それぞれの利点もあるが、反動の代償が大きすぎる。 問題の先送りとなっても、時間座標が変われば、世界もまた変わってくるかもしれない。 その可能性に賭けるしかない。 本書は問題提起で物語を収束させ、解決策までは行き着かない。 しかし、ご都合主義の大団円より、信じる答えが見つからないならここで終わらせることが好きだ。 一日でも長く隠れていなくてはいけない。 しかし、いつか、世界に姿を現す日がやってくる。
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1作読んで、面白いなあと思った作家は違うモノも読みたくなりますね。 これがデビュー作?と呼べるのかな。 読み進めるたびに不思議なお話になっていきました。いくつの世界が重なり合っていって、どこがホントの世界かわからない。続きが気になってさくさくと読み進めていきました。が、最終的に...
1作読んで、面白いなあと思った作家は違うモノも読みたくなりますね。 これがデビュー作?と呼べるのかな。 読み進めるたびに不思議なお話になっていきました。いくつの世界が重なり合っていって、どこがホントの世界かわからない。続きが気になってさくさくと読み進めていきました。が、最終的にもよくわからなかった(笑)それがいいのか悪いのかは読者次第な気がします。
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世界でなかなか発見されなかった島、イシャナイ。 内乱の続くこの国に日本人の学生瞳子が幻の生物ダンボハナアルキを探しにやってきた。 そしてゲリラを指揮するヤンに出会う…。 粗削りな内容ですが、ラストの畳み掛けが見事。 萩尾望都の「モザイクラセン」を読んだ後の様な余韻…好きです。
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テーマは考えさせられます。 ただ、設定などが稚拙な印象を受けるのが残念です。 主人公の女の子も“ちょいウザ”いし(苦笑)。
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あれれ?ファンタジーもの?などと思いつつも読了。なんだろ、ファンタジーっていえばファンタジー?そうでもないか。
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大学生の瞳子は、幻の生物を探しに最近発見された南の島へ調査に行く。そこは島で暮らす原住民が組織するゲリラと本国政府軍が戦う戦場だった。瞳子は島に着いた夜から不思議な夢を見る。観光地化する島、昔ながらの暮らしを続ける島、近代化する島、本当に理想的な島はどの道をたどったらあるだろう?...
大学生の瞳子は、幻の生物を探しに最近発見された南の島へ調査に行く。そこは島で暮らす原住民が組織するゲリラと本国政府軍が戦う戦場だった。瞳子は島に着いた夜から不思議な夢を見る。観光地化する島、昔ながらの暮らしを続ける島、近代化する島、本当に理想的な島はどの道をたどったらあるだろう? 夢と現実のからみ具合は最後意外なオチが用意されており、非常に良かった・・・しかし主人公の瞳子の行動にちょっとムリだろってな面が多く共感しづらい。行動的というよりは無謀我が侭の迷惑な存在にしか思えんよ。 お勧めかどうかは微妙か・・・
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