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美しい雲の国 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2017/01/14
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ほのぼのとした読後感。確かに、最終章はややご都合主義であるが、悪印象を持つまでには至っていない。少女と少年の微妙な心のゆれ具合はうまくあらわされていると思う。

Posted byブクログ

2014/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

10歳の女の子の初恋と性をちょっぴり意識し始めたひと夏の物語。 やさしい文体で、また1973年の出雲が舞台ということもあり、ノスタルジーを感じる。表紙のネコの版画がカワイイ。  小学生が主人公の話は、同年齢の人に同年齢なりに共感してもらうもの(児童書の範疇に入る小説とか)と、その年齢をとうに過ぎて(^^;)なつかしさを感じつつせつない気持ちになって読んでもらうものとがあるが、この場合は後者であると思う。思春期を迎えるかな?ぐらいの年齢の自分を思い出してちょっぴり切なくなる、そういう気持ちを感じられる年齢になった人がいっそう感動できるんじゃないか、と読後、私は思った。  作中でも触れているが、だいたいにおいて童話の主人公の少女たちは素直で控えめで、明るく無邪気、もちろんHにも無関心、こんなキャラクターが多い。本作品は(むしろ既存の童話のアンチテーゼとして意識している部分があると思うが)少女が当たり前に意識する性についてもごく自然に描かれている。本来これが当たり前の少女像、と思える。はたして、これまでのありがちなキャラクターの少女が主人公だったとしたら、あまずっぱくてなつかしい、それでいてせつなくなるような読後感が得られるだろうか?きっと無理。等身大に近いキャラクターをもつ主人公の童話がもっと増えてくれれば、と思う。  また、松本作品の魅力のひとつに、ちょっと賢くなるような、知識欲をそそられるような文章が小説のストーリーの中にうまく融和されている。本作品でも出雲言葉の由来について、神話に基づいて解説されている箇所、自然についての箇所などがある。読んでいて「そういえば私は私の住んでいる町の歴史や風土についてどれだけ関心を持っているだろうか」と考えた。せめてその土地に住むものとして恥ずかしくないぐらいの教養は身につけたいものだと思った。

Posted byブクログ