都の子 の商品レビュー
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この文章たちを読むと、自分の幼少期のふとしたきらきらとた無垢な感情を思い出させてくれて心地よい。 _φ(・_・ 人を無防備にさせてしまうものの一つに、水玉模様があると思う。どうしてだがわからないが、つい気をゆるしてしまうのだ。なんとなく懐かしく、なんとなく憎めない。ちょうどお弁当の中の玉子焼きみたいに。 何ガエルというのだろう。小さくてくっきりとしたきみどり色の、宝石みたいにつめたくてきれいなカエルだ。
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ブックオフで買った。 みずみずしいエッセイ集。 解説がちょっと…こっぱずかしくて好きじゃなかった。
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江國さん作品はいつも解像度が高くて、そこがとても好きです。 登場人物たちがどんな下着を身につけて、どんなお酒を飲んで、どんな音楽を聴いているかなどをとても細かく描いていて、そこに彼女たちのパーソナリティーが現れていて、ストーリーとは直接関係ないようなそんな細部たちが、一気に江國さ...
江國さん作品はいつも解像度が高くて、そこがとても好きです。 登場人物たちがどんな下着を身につけて、どんなお酒を飲んで、どんな音楽を聴いているかなどをとても細かく描いていて、そこに彼女たちのパーソナリティーが現れていて、ストーリーとは直接関係ないようなそんな細部たちが、一気に江國さんの世界観に引き込んでくれる。 このエッセイ集はまさにそんな江國さんの感度の高さが現れていると思いました。 一つ一つの些細な事象について、わたしの脳が知覚はしているけど勝手にスルーしてることを江國さんは敏感に捉えて、言語化してくれている。 だから「ああ、そうだよなあ」って妙に納得したり、懐かしいような気持ちになるのかなあって。 そしてそんな細部の描写は頭の中にとてもデリケートで美しい映像を映してくれる。全て現実の出来事のはずなのに、夢を見ているみたいな気持ちになる。 わたしたちの身の回りに起きている些細な出来事も江國さんレンズを通すとこんなにも輝いて見える。わたしもこんな風に世界を見たい! いつも手元に置いて、ふとした時につまみ食い的に読みたい、大好きな本の一つです。
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この方の本は、すごく鋭い。美しい感覚で描かれていて、部分だけを取り出せば、はっとする表現が幾度もある。なのにどうしてだろう。読み通すまでに、薄い空気の中を往くような、希薄さを感じてしまうのだ。透明で、冷たいなにか。その感覚が好きだと、ファンの方はお思いなのだろう。 グレイッシュ...
この方の本は、すごく鋭い。美しい感覚で描かれていて、部分だけを取り出せば、はっとする表現が幾度もある。なのにどうしてだろう。読み通すまでに、薄い空気の中を往くような、希薄さを感じてしまうのだ。透明で、冷たいなにか。その感覚が好きだと、ファンの方はお思いなのだろう。 グレイッシュな空。 雨の日の鮮やかさ。 秋口からの、温かい紅茶の慕わしさ。 たのしい川べの本。 好きなものは共通している。なのに。いつも。私はこの方のご本がかなしい。さみしく痛くて、半分読んで返してしまった。キャラメルティーは温かくて美味しいのに、読み通せなかった。どこかで誰かが、ひそやかに泣いているようで。
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子供のころ持っていた、ハートや星の形をした小さな消しゴムを思い出した。ピンクやブルーの、かき氷のシロップみたいなはっきりして薄っぺらい色。 あと、ピアノのレッスンのあとにもらえたキャンディ。異なる2色の正方形のものが袋に入っていた。
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江國香織さんが30歳の頃に書かれたエッセイです。 面白かったです。みずみずしくも、ふわふわとしていて、軽やかで。 やっぱり、江國さんは軽やか、というのが似合います。 「眠りと死とは、その静けさにおいてよく似ている」「『大丈夫大丈夫、外はこんなにきれいなのだから大丈夫』というような...
江國香織さんが30歳の頃に書かれたエッセイです。 面白かったです。みずみずしくも、ふわふわとしていて、軽やかで。 やっぱり、江國さんは軽やか、というのが似合います。 「眠りと死とは、その静けさにおいてよく似ている」「『大丈夫大丈夫、外はこんなにきれいなのだから大丈夫』というような、あかるくて楽ちんな気持ち」と、素敵な言葉もたくさんありました。
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今日は本当は違う本のレビューをしようと思っていたのですが、たまたま昨日、この本を再読していて、「やっぱり江國さん、この本にも、アイスクリームとガスパチョが、でてきてる~!やっぱりお好きなんだ!」と思ったり「五月のカルピスもおいしそう!五月になったら飲みた~い!」と思ったりしていた時に、近所の人が、なんと、冬季限定のいちごカルピスを持ってきてくれて!!なんてタイムリー!!ホットで飲むとか容器にかいてありますが、急遽レビューしたくなりました。(レビューというよりただの雑文ですが) 小さい女の子の水玉模様の服。去年のお盆休みに姪が3人泊まりに来ていて、一番下の子が水玉を着ていて、思わず「可愛いお洋服だね」と言ったら、真ん中の子に「〇〇ちゃん(私の名前)にもらったやつじゃん」と言われてしまい。 「そうだった。確かに送った」と思いながら「えっ、そうだったっけ」と誤魔化しました。女の子の水玉模様の服は可愛いですね。私はもう着ないけど。 『小さなオルガンのための貴重な作品集』は聴いてみたいです。 「紅茶いれ女」もわかる。!! 私はお正月の福袋は一度も買ったことがないけれど、今年はじめて、紅茶の福袋は「えいっ!」と買ってしまった。嬉しかった。紅茶って美しい飲み物だと私も思います。
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30歳の誕生日に、あーちゃんがプレゼントしてくれた。江國さんの30歳記念のエッセイということで。粋なプレゼント! いつも小説ばっかり読んでてエッセイは初めてかも? 小説にしてもエッセイにしても、江國さんの文章は、好きなものやこだわりのあるものを丁寧に整理している印象。 江國さんが...
30歳の誕生日に、あーちゃんがプレゼントしてくれた。江國さんの30歳記念のエッセイということで。粋なプレゼント! いつも小説ばっかり読んでてエッセイは初めてかも? 小説にしてもエッセイにしても、江國さんの文章は、好きなものやこだわりのあるものを丁寧に整理している印象。 江國さんがピックアップするディテールは、「分かる分かる」と思えるものが多い。同じように思う人が多いから人気作家なのか?私がたまたま共感する部分が多いだけなのか? これ読んでて自分もエッセイ書きたくなった。 忘れたくないと思ってても忘れてしまう色々な事の整理と記録のために。
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30歳記念のエッセイ集。 色鮮やかで、瑞々しくて、こんな風に世界を見たいと思わせてくれる。 感受性豊かとはこのこと。 旅のお供に連れて行きたくなる。
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江國香織さんが30歳になるころにはじめて出されたエッセイ集。それまでにあった幼い頃やこれまでにあった出来事の中から印象的だった瞬間の断片をみずみずしい感性で美しい文章に紡いでいる。色あいで、あるいは温度だったり、香りだったり、肌触りであったり、音色だったり、研ぎ澄まされた五感でと...
江國香織さんが30歳になるころにはじめて出されたエッセイ集。それまでにあった幼い頃やこれまでにあった出来事の中から印象的だった瞬間の断片をみずみずしい感性で美しい文章に紡いでいる。色あいで、あるいは温度だったり、香りだったり、肌触りであったり、音色だったり、研ぎ澄まされた五感でとらえたその時の感情の記憶を言葉にあらわしている。江國香織さんの言葉は美しくて心に深く染み込んで来る。そしてそこはかとなくノスタルジック。ああ素敵だなぁ、と幼いころから大切にしてきた宝箱を覗かせてもらっているようなわくわく感がこみ上げてきた。こんな感性を持ってこんな素晴らしい文章を書ける人に私は憧れる。
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