熱い河 の商品レビュー
パナマ運河建設工事に携わった唯一の日本人、技師 青山士の評伝。 パナマに行くまでについて描かれた前半(東京、北米)が思ったより分厚くて意外だった。 随所に、信念にみちた様子、崇高な想いがあふれている(世間のために役立ちたいこと、現場の仕事から勉強したいということ)。 また、多く...
パナマ運河建設工事に携わった唯一の日本人、技師 青山士の評伝。 パナマに行くまでについて描かれた前半(東京、北米)が思ったより分厚くて意外だった。 随所に、信念にみちた様子、崇高な想いがあふれている(世間のために役立ちたいこと、現場の仕事から勉強したいということ)。 また、多くの人々との出会いに支えられて出国したのだということも、印象的。 パナマでの劣悪な生活環境(衛生の重要性とか・・・)、危険な労働環境もしかり。 ジャングルでマラリアと隣り合わせになりながら、「ここで引いたら何のためにきたのか」と奮い立たせる様は、またしても、崇高で印象的。
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大学の指導教員から借りた本。 青山士がパナマ運河開削工事に日本人としてたった一人、参加した。 彼のモットー「私はこの世を私が生まれてきたより良くして残したい」を実行しきったところに素晴らしさを感じる。 パナマへ出発するまでの間、NYの鉄道会社で無給で働く。これが今後の測量で大いに役立つ事となった。 宿舎の蝙蝠退治から始まり,蒸し暑さや疲労で皆がイライラし,白人・黒人の人種差別のなか進まれてゆくジャングルの中の測量作業。 今までの測量が記録されている野帳が濁流に流されたとき、青山はそれが惜しくて流されながらも泳ぎ、なんとか岸に上がった。しかし、もしもう少し流されていたら、滝の底に落とされていたかもしれなかった。 そんな危険と隣り合わせの現場で進む測量を、青山自身のまじめな性格もたたり、昇進という形でアメリカは評価した。 経験はものをいうのだ。
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