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炎の記憶 の商品レビュー

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2022/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・訪問者 ・炎の記憶 ・夜への旅立ち ・夢買い人 ・闇に踊る手 ・長い夜の見張り ・黄昏都市(トワイライト・シティ) ・品種改良 田中芳樹の初期の作品集。 ということで、ゴリゴリに思想を押しつける圧がないため、とても読みやすい。 とはいえ、圧弱めとしても田中芳樹らしさは既にあり、中国の古典、中世ヨーロッパやイスラムの歴史などの造詣の深さや、権力者への圧倒的嫌悪など、まったくもって田中芳樹なのである。 このうち『炎の記憶』『夜への旅立ち』『夢買い人』は未完のシリーズもの。(これもまた田中芳樹らしいと言える) 火事によるやけどのため、幼少期に皮膚移植をした冬木涼平は、超人的な身体能力を持っていることを隠して生きてきた。 しかし、大学受験の入試監督のアルバイトで北園晴香と知り合ったことから運命が動きはじめる。 …という話。 もちろん日本という国を裏から支配する巨大権力者である老人の部下たちから、何度も何度も命を狙われる。 このシリーズが、やがて『創竜伝』へと姿を変えたのだそうだ。 冬木涼平のもつ孤独は、竜童始が続、終、余という弟を持つに至って、守るべきものを持つ責任へと姿を変えた。 でも、兄弟の一番上って、それなりに孤独だよね。 弱音吐けないもん。 SF作品も何作か収録されている。 けれど、なんというか、センチメンタルで凡庸。 この辺はまだ若いな、と思いました。

Posted byブクログ

2017/05/20

田中芳樹は初読。初期短編集だけに可もなく不可もなくだが、中途半端な超能力(「闇に踊る手」)や感情を持ったサイボーグ(「黄昏都市」)の設定や台詞回しなど、所々に平井イズムを感じる。しかし、その後の経緯はえらい違いだ。結局のところ教養の差と言うことか。しかし、幻魔大戦が銀河英雄伝のよ...

田中芳樹は初読。初期短編集だけに可もなく不可もなくだが、中途半端な超能力(「闇に踊る手」)や感情を持ったサイボーグ(「黄昏都市」)の設定や台詞回しなど、所々に平井イズムを感じる。しかし、その後の経緯はえらい違いだ。結局のところ教養の差と言うことか。しかし、幻魔大戦が銀河英雄伝のようなスペースオペラに発展した未来も,場合によってはあったわけだ。

Posted byブクログ