19分25秒 の商品レビュー
ずっと探してる本、というのが何冊かある。ネットで探して通販するほどじゃないんだけど常に頭蓋骨の裏側にポストイットで貼られていて、古書店に寄るたびになんとなく探してみる、みたいな。あるでしょ?そーいうの。 本書を知ったのは何年も前の「本の雑誌」の書評だった。鏡明か坂東齢人の文章だ...
ずっと探してる本、というのが何冊かある。ネットで探して通販するほどじゃないんだけど常に頭蓋骨の裏側にポストイットで貼られていて、古書店に寄るたびになんとなく探してみる、みたいな。あるでしょ?そーいうの。 本書を知ったのは何年も前の「本の雑誌」の書評だった。鏡明か坂東齢人の文章だったように思う。 曰く、 「彼こそは夜を切り裂いて歩くパンク・ロッカーなのだ。」この1文だけで痺れる。シャウトしない、モッシュもしない。ただ全ての物にツバを吐きかけながら歩く真のパンクロッカーなのだ。 うろ覚えだけど確かこんな内容だった。 こんなこと書かれたら気にならざるを得ないし、数年ごしで実際に読んでみてすごく腑に落ちた。全く同感だ。
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引間さんは初めてです。タイトルに引かれて購入。 表題作「19分25秒」は力強い作品です。エンディングでやや力尽き、月並みな方向に走った感はありますが、グイグイと引き付けるものがあり、電車の中で熱中のあまり乗り過ごしそうになったりしました。 一方で「テレフォン・バランス」は不条...
引間さんは初めてです。タイトルに引かれて購入。 表題作「19分25秒」は力強い作品です。エンディングでやや力尽き、月並みな方向に走った感はありますが、グイグイと引き付けるものがあり、電車の中で熱中のあまり乗り過ごしそうになったりしました。 一方で「テレフォン・バランス」は不条理系の作品、「インステップキック」は"怒れる若者"系でしょうか。なんだか作品ごとにイメージが随分異なります。その結果、短編集としては、まとまりのない感じがするのが残念です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第17回(1993年)すばる文学賞受賞作。 自分の好きな作家が薦めていたので読んでみた。 表題作は初めは呆気にとられていたが徐々に引きつけられた。 競歩を取り上げているのも面白い。 新人賞受賞前に書かれた2つの作品も収録されている。 こちらは表題作に比べてパワーはない印象。 どの作品にも共通して、異常なまでの執着を持つ登場人物たちに いまいち感情移入出来ない。 ラストも納得がいかなかった。 もう少しキャラクターに幅があって 誰かがどの人物かに共感出来、もう少しラストが丁寧に描かれていると 自分はとっつきやすかったかなと思う。
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5キロのコースを世界記録の19分25秒で歩く!夜の公園で“僕"が出会った義足の競歩選手。黙々と歩き続ける奇妙な男に“僕"は勝負をもちかける―。第17回すばる文学賞受賞の表題作他。
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競歩の話。 でも多分思ってるのと違う。 初めて読んだのは高校のときか? 「あんたにも黒い翼が生えてきたな」 「負けるぐらいならひとりで泣きながらプリン食べる方を選ぶ人なのよ」
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高校生の頃読んで衝撃を受けた本。片足の男が義足で競歩をするのだ。しかも世界新記録を楽々超えて。しかし男は五輪へ出ない。そこに価値を見出さない。こういう生き方してみたかった、という一冊。読んで損はありません。他二編がやや質が落ちるので★4つ。
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