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あんたに縛られたい の商品レビュー

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2012/09/22
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『門の中の楽園』というシリーズの番外編でした。 『門の中の楽園』・愛敬学院を卒業し、大学生になった堀宗薫は、ジャーナリストになるという夢を叶えようと日々を送っていた。  しかし、それに立ちはだかるのは宗薫の実の兄・宗衛。  宗衛は、茶道の家元である自らの家を継ぐように宗薫に迫ってくる。  宗薫にしてみれば、それは兄である宗衛が継げばいいと思っていたのだが、その兄をむげにできない事情が宗薫の側にもあった。  それは、実の兄である宗衛に対して宗薫が禁断の想いを抱いてしまっている、ということであった。  宗薫はその想いを諦めようと思っていたが、なかなか諦めることができずに苦しい日々を過ごしていた。  そんな兄が、宗薫の夢を認める代わりに出した条件が、「自分の書いた記事を雑誌に載せること」。  何とか兄に認められたい宗薫は、その条件を飲むけれど、今度は取材の対象に悩んでしまう。  まったく無名の自分の書いた記事が雑誌に載る可能性は限りなく低く、取材の内容に工夫が必要だった。  そこで、宗薫はハッテン場の取材をしようと出かけていくが、そこに現れたのは“バク”と呼ばれるミステリアスな雰囲気を持つ男だった。  大人でたくましい男・バクに宗薫は身も心も揺さぶられるけれど――  という話でした。  最初、タイトルを読んだ時に、精神的な意味で「縛られたい」なんだと思ったんですが、実際はそんなことはなく、物理的な意味で「縛られたい」なんだと知ってびっくりしました。 “バク”というのは夢を食べる動物のバクなどではなく、縛るの“縛”から来たんだ――ということらしいです。  で、宗薫は実際に「縛る」という行為を施されることで、非日常感を味わって、次第にそれに夢中になっていく――という状況でした。  それ以外にも宗衛が宗薫に執着はしているけれど、愛せない理由だとうか。  茶道と寺との関係、だとか。  いろいろややこしい設定もいっぱいあったんですが、結局のところよくわかりませんでした。  そこまで複雑にしなくても、もう少し簡単にした方が面白かったかなー……と思ったりもしました。  頭使う物語が好きな人にはオススメしますが、かなりクセがあるので単純に「おもしろい!」と感じたいのであればイマイチかな、とも思います。

Posted byブクログ