海の味 の商品レビュー
副題が示すとおり、一般的には口にしない水生動物を味わうエッセイ風読み物。ただし、著者はれっきとした水族館職員で、優しい文章ながら生物学的知識に裏打ちされたもの。 44種類もの動物を味わった各話はおおむね、枕/生物の特徴や分布/実食と食味/古記録の紹介で構成。個人的には実食の話(...
副題が示すとおり、一般的には口にしない水生動物を味わうエッセイ風読み物。ただし、著者はれっきとした水族館職員で、優しい文章ながら生物学的知識に裏打ちされたもの。 44種類もの動物を味わった各話はおおむね、枕/生物の特徴や分布/実食と食味/古記録の紹介で構成。個人的には実食の話(時に凄く美味そう)も良いけど、やはり古記録(近世の本草書が主)を紐解くのがミソかな、と。 同じパターンの話の連続なので、中盤手前あたりで一回飽きがきたけど、後半は著者の(親父ギャク的な)筆が冴えを見せて面白く読めた。あと、仕事半分/興味半分で実食を重ねられる職場とその仲間の温かさも、ちょっと羨ましかったり。
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