桜の園 の商品レビュー

アントン・チェーホフ(著者),小田島雄志(訳者)

2025/03/08

ある地主階級の没落と分かり合えない人々を客観的に変わりゆく時代と共に描いた作品。人の変われなさはその人にとってみれば悲劇かもしれないけど他人から見れば喜劇とも取れる。そして結局世界にとっては喜劇なのかもしれない。斧で切り倒される桜も時の流れからしたら喜劇。

名前が分かりづらいロシア文学あるある。目まぐるしく舞台に上がる人が変わっていくので余計にそう感じた。

2025/01/31

天海祐希さん主演の舞台「桜の園」が素晴らしかったと聞き、手に取った本書。コメディで面白いと友人から勧められたのですが、私にはハマらなかったです。没落貴族の土地が競売にかけられる話。栄光の時が忘れられず、落ちぶれているのに相変わらずの浪費と他人にお金をあげるお人好しを繰り返す。その姿は滑稽だけれど、なんだか物悲しさを感じました。

2013/11/11

落ち目の領主一家は、屋敷を競売にかけられようとしている時にも過去の栄華から抜け出せずにいる滑稽さ。国は違えど貴族が落ちぶれ庶民が力をつけた時代の話が好きで読んでます。だがこの翻訳で上演して面白いのだろうか。他の訳も読んでみたい。

2011/09/01

再開が始まって、どの人も、さようならへ向かっていったのに。みんな始まりへまた、向かっていった。どの人も。

2010/02/24

丸山より影響されて。

正直言って、戯曲はよくわからない。
ト書き形式で書かれているので、場面がどうなっているのかとかもよくわからないし・・・。
こういうのは、作家が１/３、演じ手が１/３、観客が１/３でどれが欠けてもちゃんとした理解には到達できないのかもしれない。

しかしこの話を下敷きにして太宰の『斜陽』が書かれたことは理解した。『斜陽』を読んだ時にはこちらの『桜の園』はまったく認知してなかったので、斜陽ニ読目の助けにはなるかもしれぬ。

2009/10/04

園の消失を目前にすれば、どんな人間も奇妙に滑稽。本来なら感情のひだの一枚一枚が繊細に伝わる戯曲のはず。