蛇神の祈り の商品レビュー
水の神を祀る在地の国々と、日の神を祀る西からやってきた国々。長く続いた両者の戦いは、日の神を祀る「ヤマト」の偉大な王・誉田大王の登場によって終わりをつげた。 大王を擁立した玻珥国は倭国唯一の日の巫女・矢河枝を大王の妃として出していた。日の神の託宣がおりたためだったが、矢河枝は自分...
水の神を祀る在地の国々と、日の神を祀る西からやってきた国々。長く続いた両者の戦いは、日の神を祀る「ヤマト」の偉大な王・誉田大王の登場によって終わりをつげた。 大王を擁立した玻珥国は倭国唯一の日の巫女・矢河枝を大王の妃として出していた。日の神の託宣がおりたためだったが、矢河枝は自分が結婚により「穢れた」と信じ、大王との間に生まれた三人の子を嫌悪し…発狂した。 矢河枝の子にして皇太子・稚彦の王子は、父王が玻珥の木幡に滞在しにきた最後の夜、不思議な少女に出会う。 美しい霊気を放つ彼女は、なぜか魂を喰われる危険があるにもかかわらず、雑霊をその身に集めていた。とっさに稚彦は鏡に月光の力を集め、雑霊を祓う。少女は雑霊に魂を奪われて死ぬことが、自分の「意味」なのだといい、激しく怒り、去っていった。 翌日、大王を見送って戻った稚彦は、妹姫の女鳥に仕えていた侍女の死体を発見する。だが、その死体は全身を鱗に覆われた、異様なものだった。 数日後、誉田大王が呪詛により倒れたという報せが届く。 大王の軽島宮へ向かう途中、異母兄・大山守の王子が暮らす、春日の狭穂に入った稚彦は、あの不思議な少女「千々鹿」と再会する。
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