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子どもの詩の園 の商品レビュー

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2024/09/21

“A Child’s Garden of Verses“ 『子どもの詩の庭』  【1998年初版】 著者 ロバート・ルイス・スティーヴンソン 訳・絵 よしだみどり 『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』の著者のスティーヴンソン氏の詩に、よしだみどりさんがわかりやすく訳を付け...

“A Child’s Garden of Verses“ 『子どもの詩の庭』  【1998年初版】 著者 ロバート・ルイス・スティーヴンソン 訳・絵 よしだみどり 『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』の著者のスティーヴンソン氏の詩に、よしだみどりさんがわかりやすく訳を付けられ、詩の一つ一つに可愛らしいイラストを添えられています。原文の後に、横書きの訳と、その詩の世界を描いたイラストのレイアウトがとても見やすくて好みです。数日かけて少しずつ、音読しながら愉しみました。(他にも色々な形で出版されていますので、好みの一冊を探してみられるのも愉しいかもしれませんね。(*´︶`*)) 『はじめに』より、著者のスティーヴンソンは子どもの頃、ポケットにペンと紙を持ち歩いた生まれながらの作家で、戯曲、小説、紀行文、散文、詩といったあらゆるジャンルのものを書き残し、そして日本では、夏目漱石、野尻抱影、大佛次郎といった文豪、英文学者をはじめとする多くの読者を魅了してきた。とあります。 続いて、彼の乳母だった「アリソン・カニンガムに捧げる あなたが可愛がった子どもより」というメッセージ。そこには彼が病弱だった子ども時代に、彼女から受けたたくさんの愛情へのお礼の言葉が綴られていて、「この本を読まれる人々はすべて、必要な時にあなたのようなやさしい乳母を見つけることができますようにー」と添えられています。 乳母のアリソン・カニンガムは神話や伝説が残るスコットランドの漁村出身でお話が得意だったこと、灯台建築技師だった祖父と父、その海を愛する血を受け継いだ彼は、晩年を南の島サモアのウポル島ヴァイリマで送り、島の人々から“トゥシターラ(物語の語り部)“と呼ばれて大変慕われたそうです。 一つの詩のほんの一部分だけ、ご紹介しますね。 『眠りたくない』 “ESCAPE AT BEDTIME “ (スヤスヤと眠る子の周りに淡いブルー沢山の星々のイラストが添えられています。) ー 一本の木の何千という葉っぱも 教会や公園に集まる人々の数も 及ばぬほどの星の群れは 暗闇のなかで 私を見下ろしてキラキラと瞬いている ー やがて星たちは私を見つけて 声を上げて追いまわし アッという間に私をベットに押し込んだ それでも夜空の壮観な輝きは 私の目に眩しく 頭の中でも星たちは周り続けるのだった この本には約65篇の詩が掲載されていて、自然とともにある子どもの世界が、時には子どもの目線で、時には語りかけるように、詩い描かれています。素直でユーモアに溢れ、生き生きとした詩の世界を英文併記で愉しめます。よしだみどりさんのイラストが素朴な温もりがあってとても良いので、よかったら図書館で探してみてください。(こちらの本は絶版です。) 『あとがき』のいとこや、母、おば、子へのメッセージもいいですよ〜。「読者へ」ではちょっとハッとさせられました。

Posted byブクログ