父と暮せば の商品レビュー
2回読んで2回とも泣いた。ラストだけ泣きそうになるとかそんなんではなく、もう最初から最後まで泣き通しだった。 原爆を落とされた3年後の広島を舞台に、父娘の二人芝居で繰り広げられる戯曲とのこと。 じゃあいまでも舞台やってたりするのかな…すんごく見てみたい。そして見たら絶対泣く… も...
2回読んで2回とも泣いた。ラストだけ泣きそうになるとかそんなんではなく、もう最初から最後まで泣き通しだった。 原爆を落とされた3年後の広島を舞台に、父娘の二人芝居で繰り広げられる戯曲とのこと。 じゃあいまでも舞台やってたりするのかな…すんごく見てみたい。そして見たら絶対泣く… もう今年読んだ本の中で一番泣いたかもしれん。 涙活したい人、かなりおススメです。 泣ける・学べる・考えさせられる。本書を読めばいいこと尽くしです。 100数ページと短く、台本みたいな形式になっているので、短い時間でスッと読める。 こんなに短いページ数で、ここまで深く深く物語を掘り下げ、物語からのメッセージが強く読み手の胸に突き刺さり、心に残る物語を描けるなんて本当にすごい…無駄な描写が一切ないんですよ…名シーンばかりで… 参考文献の膨大さもすごい…この物語、父娘や他の登場人物のセリフも全て広島弁で書かれているのだが、参考文献の半分ほどは方言についての著作だ。 本気でヒロシマについての物語を描きたかったことが、物語の外からもありありと伝わる。 本編はもちろん、井上ひさしによる「あの二個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりではなく、人間の存在全体に落とされたものだと考える…あのときの被爆者たちは、核の存在から逃れることのできない二十世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ。…おそらく私の一生は、ヒロシマとナガサキとを書きおえたときに終わるだろう。…」という前口上や、劇場の機知ーあとがきに代えて、でこの物語を描くにあたっての考えなど、どうしてこのような形式の物語になったかなどが書かれており、読み応え抜群。 「自作を解説するぐらいバカバカしい仕事はないのですが、劇を書く者が、日頃、なにを考えているかを知っていただくことも一興と思い、手前味噌を書き並べました。お許しください。」という末文にも、なんかいろいろ感じられてしまってまた泣けてくる。そしてその姿勢にもリスペクト… 本編についても、たくさん感想言いたいことがあるんだけど、書くとなったら全ページについて書くことになってしまうので書かない。 もう本当に胸が詰まってしまって。 ネタバレにもなってしまうし、これ以上の前情報がない方が刺さると思うので。 何か言うとすれば、主人公の娘に幸せになってほしい、とだけ。 母と暮せばという作品もあると聞いたので、調べて読んでみたいと思う。
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戯曲。「私の一生は、ヒロシマとナガサキを書き終えたときに終わるだろう」と、本の中で述べている。こnの本は広島が舞台。長崎が舞台となったのは映画化された「母と暮せば」である。原爆で生き残った娘と、死んでしまった父との物語。自分だけが生き残って、幸せになっては申し訳ないと思いながら生...
戯曲。「私の一生は、ヒロシマとナガサキを書き終えたときに終わるだろう」と、本の中で述べている。こnの本は広島が舞台。長崎が舞台となったのは映画化された「母と暮せば」である。原爆で生き残った娘と、死んでしまった父との物語。自分だけが生き残って、幸せになっては申し訳ないと思いながら生きている人の思いは二作に共通している。
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烏兎の庭 第五部 書評 10.30.15 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/diary/d1510.html#1030
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全編広島弁。 作者である井上ひさしは、被爆者の方に戦争の体験を聞きつつ、広島弁も憶えていたそうな。 優しくて、少し悲しい物語。
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