僕らの広大なさびしさ の商品レビュー

谷村志穂(著者)

2024/03/05

孤独は伝染するのかもしれない
淋しさと共に

伝染した孤独と抗うのも
ひとつ立派な人生

最後のシーンは、もしかすると
男の淋しさが伝染して
自分を滅ぼしてしまうことになるかもしれないと
思って、男の前から姿を消そうと思ったのかもしれない

それでもこの男の淋しさなら
伝染しても構わないと思い
男のいる席に戻ったのかもしれない

2012/06/30

精神が不安定な人のそばにいるのはきついことだ。
自分がよりしっかりと立てていないと、巻き込まれてしまう。
不安と責任感とに押しつぶされそうになり、逃げてしまった主人公。
でも、本当に必要なら、逃げていいと思う。
自分を守ることもとても大切だから。

2009/10/04

お互いを癒すということは
お互いの孤独にも触れ合うことで
とてもさびしいこと。
相手を大切にしたいと切望するほど
相手の問題が、自分にとっても問題となる。
自分もいっしょに崩れてしまう。
それを食い止める答えは書いていなかったけど、
「後ろ向きに歩く」ことがすごく不憫。
「離れられない、お互いが必要」ってことが
よくわかったけれど、負の要素で
お互いをつないでいるように思えた。