なぜあの人は気がきくのか の商品レビュー
私が取材をする時、自分がお話を伺う立場で行ったとしても、まず自分の話をたくさんします。 最初に「私はこういうふうに考えているんです」という話を必ずします。 そうすると、編集者によっては、「中谷さん、あんなに自分の話をすると時間がもったいなくないですか」と言います。 取材時間は、1...
私が取材をする時、自分がお話を伺う立場で行ったとしても、まず自分の話をたくさんします。 最初に「私はこういうふうに考えているんです」という話を必ずします。 そうすると、編集者によっては、「中谷さん、あんなに自分の話をすると時間がもったいなくないですか」と言います。 取材時間は、1時間しかもらってないのに、こちらが30分も話したら、相手の話を30分しか聞けないからもったいないという発想です。 これは間違っています。 私はまず、自分はこういう人間で、こういうふうに考えているということをオープンにして、こんなことまで話していいんだろうかというぐらい自分のことをどんどん話すようにしています。 そうやって相手と気心が知れ合って、通じ合うものができて、初めて相手から出てくる話があるのです。 気心が合わないまま1時間で出てくる話と、気心が知れてから出てくる30分の話では、深さが違います。 まず、「私はこういうふうに考えて、こういうふうにやっていて、こういうところで苦労しています」という話を正直に言います。 そんなところで決していいカッコはしません。 今私が抱えている課題を正直に告白しながら、話を聞く姿勢を持ちます。 こうしてこそ、相手からたくさん話が出てくるのです。 その1時間でまるまる相手の話を聞こうとする人が、もし私のところへ来たら、1時間の話はするけれども、きっとそれ以上のいい話はできないと思います。 それはケチるのではなく、気分がのっていかないのです。 人間は、知らない人にはうちとけて話ができません。 知っている人同士の雑談のほうが、たとえ10分であっても、中身は濃くなります。 「教えてください」と言って人に会いに行く時は、まず自分の話をたくさん話すほうが大事です。(p.172)
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