精神病 の商品レビュー
ストレスなど心の不調…
ストレスなど心の不調や問題が騒がれている今日に注目されている精神病について、分かりやすく心の病気を説明しています。内容は心の不調が原因で起きる、様々な種類の病気の系統や症状、具体的な事例などで専門的・分かりやすく紹介しています。9年前に書かれた本のため精神病の名前に問題はあるもの...
ストレスなど心の不調や問題が騒がれている今日に注目されている精神病について、分かりやすく心の病気を説明しています。内容は心の不調が原因で起きる、様々な種類の病気の系統や症状、具体的な事例などで専門的・分かりやすく紹介しています。9年前に書かれた本のため精神病の名前に問題はあるものの、心理専門家が薦めるほど心理学に通じていて、一般知識を得るための本としても興味深く思える本です。昔に書かれた本ですが、課題や問題点は今も残っていることで、むしろ昔からこんな視点があったのかと感心してしまいます。“
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精神に変調をきたす心…
精神に変調をきたす心の病気=精神病(この病名も誤解され易い暗いイメージがあり、別の呼称を考えたらどうだろう)。この分野の中の「分裂病」について誰にでもわかるように、優しく一般人むきに書かれており、良いガイダンスとして読むことができる。本書は1998年発行なので「分裂病」という呼称...
精神に変調をきたす心の病気=精神病(この病名も誤解され易い暗いイメージがあり、別の呼称を考えたらどうだろう)。この分野の中の「分裂病」について誰にでもわかるように、優しく一般人むきに書かれており、良いガイダンスとして読むことができる。本書は1998年発行なので「分裂病」という呼称で表記しているが2002年以降WHOでは「統合失調症」という名称変更をしている。分裂病というとらえどころのないイメージから、具体的な病気の特徴を内包したイメージへの転換である。発病率は全人口の1パーセント程といわれており、決して珍
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今回読んだ中のなるほどなあ文↓ 『心の不調には「二つの系列」があるとお考え下さい。一つは「(軽重はあれ)病気」の系列であり、今一つは「パーソナリティの歪み」の系列です。 (中略) 病気とは、(中略)本来のその人のとは多少とも異質な状態が出現し、原則として治癒あるいは悪化の方向へ動く。そういう状態です。 (中略) パーソナリティというのは、その人がこの社会に生きていくとき、特別に意図的でなくいつもやっている感じ方、考え方、つき合い方の「全体」をいいます。 (中略) 同じ心の不調でも、これは「病気」の場合のようにある時点から変化が生まれるのではありません。(中略)身体でいえば、体質のようなものをご想像いただくのがよいでしょうか。 (中略) 右側(※パーソナリティの歪み)は、その人の「人となり」のなかに源泉のある不調です。左側(※神経症・精神病)は、その人にとってはいわば余分なものが病気として付け加わった、そういう不調です。両者は本質を異にします。』 『この病気(※この本でいうところの分裂病=統合失調症)の人の子供時代の消極性の中身はなんなのでしょうか。 ここではサリバンという米国の精神科医の説を引用します。 (中略) 要するに、他人にたちまじって社会のなかで生きるには最低「自分に対する自信、少しむずかしくいえば、自分が自分を評価する気持ち」がいる、そしてそれは幼児期・児童期・青年前期あたりの他人との交流のなかからしか生れない、というのです。』
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精神病ないし統合失調症についてのコンパクトな解説書です。 同じ岩波新書には、人間学的な精神病理学の立場に立つ木村敏の『心の病理を考える』という本がありますが、本書は哲学的な考察に入り込むのでもなく、また実証的な研究成果を紹介することに終始するのでもなく、バランスの取れた記述にな...
精神病ないし統合失調症についてのコンパクトな解説書です。 同じ岩波新書には、人間学的な精神病理学の立場に立つ木村敏の『心の病理を考える』という本がありますが、本書は哲学的な考察に入り込むのでもなく、また実証的な研究成果を紹介することに終始するのでもなく、バランスの取れた記述になっているように思います。もっとも、個人的には木村の著作がおもしろく読めたのに対して、本書の叙述にはちょっともの足りなさを感じてしまったのも事実です。
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林公一さんのサイトで推薦されていて読んだ。よくまとまっていてよい本。こういう本のわりに語り口が丁寧でやわらかい。 未読の方へ。統合失調症(かつての分裂病)の本です。
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「精神病」というおどろおどろしい題名ですが、 内容は、筆者の暖かなまなざしにあふれていて、 非常にいい本です。 分裂病を、データや筆者の患者の例にもとづいて 説明しているのですが、 現在は軽症化の傾向にあることが繰り返し述べられています。 それと、僕が一番おもしろ...
「精神病」というおどろおどろしい題名ですが、 内容は、筆者の暖かなまなざしにあふれていて、 非常にいい本です。 分裂病を、データや筆者の患者の例にもとづいて 説明しているのですが、 現在は軽症化の傾向にあることが繰り返し述べられています。 それと、僕が一番おもしろいと思ったのは、 以下の3つの点で、分裂病は、 とても社会的であると述べていることです。 まず、分裂病に独特の心理も、現代社会にあっては、 周囲を驚かせるような激烈な形をとらなくなっているという、 軽症化の理由について言及した部分。 次に、この病気は、 「知性や意識の低下ではなく社会性・常識性の破綻」であるとして、 その原因に、人間の「社会性」の発達と何らかの関係性があると ほのめかせている点。 最後に、治療には、、 社会復帰こそが治療の目的であること、 そのためには、社会福祉の充実が不可欠であるこということ。 現代社会の論点をとらえとようとするなら、 分裂病の心理を考えることで、 貴重な「贈り物」があるかもしれません。 社会学を学ぶ上でも、重要なことを示唆してくれた1冊です。
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がん末期の患者さんが泣いてしまって、「泣きたいのはこっちです!」と言いにきた後輩にあぜんとしたことがあったけれど、統合失調症の方こそ「不安なのはこっちです!」ということなんだろうなあと思わせてくれる本でした。 こういう愛ある説明本が好きです♥
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[ 内容 ] 精神病の中で分裂病は、今なお原因不明の難病であり、患者数も多い。 しかし、近年は治療法も進み成果も大きく上がっている。 症状や経過の特徴、原因の究明、治療法から患者の社会復帰、医療の体制、福祉のあり方にいたるまで、長年分裂病の臨床にたずさわり、それをとりまく問題を考察してきた著者が懇切ていねいに解説する。 [ 目次 ] 1章 心の不調 2章 分裂病の特徴 3章 分裂病の発病まで 4章 分裂病の経過 5章 今日の治療 6章 社会福祉の面から 7章 分裂病と犯罪をめぐって 8章 分裂病の原因について 9章 分裂病からの贈り物 10章 家人へのアドバイス [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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bookoff online で購入。精神病の分類,分裂病の特徴から経過,治療,そして社会の受容体制の話までをまとめている。10年以上前の本ということだったけど,分裂病(統合失調症)のことは詳しくないので新鮮な話ばかりだった。病跡学(パトグラフィー)のところが特に興味深く,ドイツ...
bookoff online で購入。精神病の分類,分裂病の特徴から経過,治療,そして社会の受容体制の話までをまとめている。10年以上前の本ということだったけど,分裂病(統合失調症)のことは詳しくないので新鮮な話ばかりだった。病跡学(パトグラフィー)のところが特に興味深く,ドイツにあるという分裂病の方が描いた絵を集めた美術館に行ってみたいと思った。 病気の経過については,「悲観論にひきずられすぎないでください」ということだったけど,この本に書いてあった症例を見る限り,年齢を重ねないと良くなりにくいのかな,と思う。言い尽くされたことだけど,診断があったら本人も周囲も,長い治療になることを覚悟しなければならないのだろう。
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分裂病をメインに書かれている。 自分がけっこう分裂気質な人間だということがけっこう明らかになってきて憂鬱になる。でも為になる本だと思う。
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