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歴史の中で語られてこなかったこと の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2020/12/30

「百姓は農民ではない」という網野の長年の主張を補完する形で、民俗学者の宮田との対談をまとめたものだが、歴史学や民俗学の弱点を的確に示したうえで、改善のための提言が随所に見られて楽しめた.一般の歴史書ではあまり見ない語句が気になったので列記する.ほまち(外持・私持)、蚕婦(さんぷ)...

「百姓は農民ではない」という網野の長年の主張を補完する形で、民俗学者の宮田との対談をまとめたものだが、歴史学や民俗学の弱点を的確に示したうえで、改善のための提言が随所に見られて楽しめた.一般の歴史書ではあまり見ない語句が気になったので列記する.ほまち(外持・私持)、蚕婦(さんぷ)、蚕影(こかげ)、庵室(あぜち)、柿帷(かきかたびら)、出挙(すいこ)、糧飯(かてめし)等々.柳田国男、渋沢敬三、折口信夫、南方熊楠、宮本常一らの業績をまとめた件で、柳田は思想、渋沢は民具、折口は芸能、南方は比較文化とあったのは面白かった.

Posted byブクログ

2017/08/21

日本の歴史を読み直すの人。だからきっとこの本もおもしろいと思う。 歴史の正しい姿は存在しない。歴史家の仕事は、つまるところ自分自身について語ることだ。

Posted byブクログ

2017/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1998年刊。民俗学者と歴史学者の2人が、対談形式で、歴史学の問題点、農民解釈、海民の意義、民具、民俗学の歴史学からの自立と影響力の拡大等、縦横無尽に論じる。女性の地位の史的な実態(銭と直結する養蚕の担い手、家計で銭を握っていた実情と女性の地位に関するフェニミストの単純蒙昧さ)の指摘も興味深い。また、米の意義(国家主導の導入だが、受け入れる素地が民衆側にも存した。食料に占める割合の低さからすると、銭替等米は過大な役割付与?)にも新規な問題提起を行う。なお対談は80年代前半~90年代後半までに複数回実施。

Posted byブクログ

2010/12/27

「お年寄りから歴史をみたらどうなるかな」と思って読んだ。隠居部屋から鬼婆・姥捨、院政とか大御所まで、話題の豊富さというか風呂敷の広げ方というかには圧倒される。 しかし「おんな・子供・老人」といいながら、あいかわらず網野善彦の中世人は「したたか」で「強い」んだなと思った。根性ナシ...

「お年寄りから歴史をみたらどうなるかな」と思って読んだ。隠居部屋から鬼婆・姥捨、院政とか大御所まで、話題の豊富さというか風呂敷の広げ方というかには圧倒される。 しかし「おんな・子供・老人」といいながら、あいかわらず網野善彦の中世人は「したたか」で「強い」んだなと思った。根性ナシのぼくは、どうもひっかっかる。

Posted byブクログ

2009/10/04

冒頭は「もののけ姫」の話題から始まっていますが、上野氏も述べていたように、あの作品は網野史学を演劇化したものであると宮田氏も述べています。

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