ホット・ロック の商品レビュー
昔、伊坂幸太郞さんが…
昔、伊坂幸太郞さんが和製ウエストレイクと呼ばれていましたね。ユーモアたっぷりの文体です。
文庫OFF
2021/5/2読了 天才的犯罪プランナー、ドートマンダーはアフリカ某国から宝石強奪を依頼されるが、予想外の事態で失敗。しかし、依頼主が手を引かずに延長戦にもつれ込み……同じ目的のために何度も危ない橋を渡るのが嫌さに手を引きたいが、そうは問屋が卸さず、どんどんシビアな状況に追い込...
2021/5/2読了 天才的犯罪プランナー、ドートマンダーはアフリカ某国から宝石強奪を依頼されるが、予想外の事態で失敗。しかし、依頼主が手を引かずに延長戦にもつれ込み……同じ目的のために何度も危ない橋を渡るのが嫌さに手を引きたいが、そうは問屋が卸さず、どんどんシビアな状況に追い込まれ、対する作戦もどんどん奇想天外なものになる。時には、こういうおバカな話も悪くない。 でもしかし、この話での宝石所有権問題の発端は、アフリカ各国が植民地から独立した際に、現住部族の支配地域とは関係なく欧州が引っ張った植民地境界線をそのまま国境にしたことに由来しており、実は結構シビアな史実を背景にしていたりする。
Posted by
もう読む前から当たりであることが分かる本というのがある。例えば伊坂幸太郎さんの「陽気なギャングシリーズ」のようなタイプ。ウエストレイクのこのシリーズもそうだ。天才的な犯罪プランナーのドートマンダーが依頼された宝石を盗むのだが不運によりどんどんと事態が深刻に複雑になっていく。それを...
もう読む前から当たりであることが分かる本というのがある。例えば伊坂幸太郎さんの「陽気なギャングシリーズ」のようなタイプ。ウエストレイクのこのシリーズもそうだ。天才的な犯罪プランナーのドートマンダーが依頼された宝石を盗むのだが不運によりどんどんと事態が深刻に複雑になっていく。それをシリアスでなくコミカルに描いていく。キャラ立ちがよくテンポよく進んでいくのでとにかく楽しい。ドートマンダーの陰とケルプの陽な性格の対比も上手い。お笑いのてんどんを思い起こさせる会話劇も笑えて最高にハッピーな読書だった。
Posted by
本当は凄い奴らなんでしょうけど、ちょっとお間抜けなドートマンダーとその仲間達! 仕事のやり方が、かなり大胆ですが、何故か憎めないのが、面白いところです。
Posted by
面白い小説というのは時代を超越する、という典型だと思う。 1970年発表の作品だけど、とにかく痛快。 なんというか、とぼけた間がいい味を出している。 愛すべき悪党ども、と言ったところか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1970年に書かれた懐かしい雰囲気を持つ作品。 主人公の盗みの天才ドートマンダーは刑務所から 出てきてすぐにかなり困難な仕事を受ける。 4人の仲間とエメラルドを盗もうとするも なかなかうまく行かず、エラーアンドトライを 繰り返す。成り行きで刑務所に盗みに入ったり するところがとても面白かったです。 今の時代にはもう書かれないであろう小説かなぁと 思いながら読みました。
Posted by
天才泥棒ドートマンダーシリーズ一作目。それぞれ癖のある4人の仲間とともに某国の国連大使の依頼で大エメラルドを盗み出すのですが…まず安易に仲間が捕まり、そんなことしたら絶対に…と思ったらその通りになって、と最初はちょっとがっかりしていたのですが、次々とやってくる不運と、それでもそれ...
天才泥棒ドートマンダーシリーズ一作目。それぞれ癖のある4人の仲間とともに某国の国連大使の依頼で大エメラルドを盗み出すのですが…まず安易に仲間が捕まり、そんなことしたら絶対に…と思ったらその通りになって、と最初はちょっとがっかりしていたのですが、次々とやってくる不運と、それでもそれをなんとかしてしまうドートマンダーの頭脳と仲間のキャラにいつしか惹かれぐいぐい読み進めました。同じような繰り返しなのですがどんどん試練は厳しくなり用意する乗り物がどんどん派手になって笑えたし、ラストのオチもとっても良かったです。
Posted by
刑期を終え出所した犯罪コーディネーター・ドートマンダーの下に昔からの相棒・ケルプが大きな仕事の話を持ってくる。ドートマンダーは仲間を集めて目的のエメラルドを盗みだす計画を立てるが… 何とまあスマートじゃないクライム・サスペンスなのでしょうか(笑)。エメラルドを盗んでくれ、と...
刑期を終え出所した犯罪コーディネーター・ドートマンダーの下に昔からの相棒・ケルプが大きな仕事の話を持ってくる。ドートマンダーは仲間を集めて目的のエメラルドを盗みだす計画を立てるが… 何とまあスマートじゃないクライム・サスペンスなのでしょうか(笑)。エメラルドを盗んでくれ、という依頼の元ドートマンダーたちは計画を実行していくのですが、どうにも毎回うまくいきません。 一回目の博物館襲撃で仲間の一人が捕まり、その後何度やっても捕まりこそしないもののエメラルドは手に入らず……。ここまで失敗しているのにドートマンダー自身は捕まらないのが、確かにドートマンダーはやり手なのだろうな、と思いますが……、でもこれだけ失敗してたら他の作品ならとっくの昔に消されていそうな気がしますが(笑) 彼の計画もかなり大胆なものが多く、話自体のテンポもよく非常に楽しく読めます。 会話の軽妙さもいいです。ケルプが依頼主の国連大使に計画の必要資金の交渉の席でのやり取りや、 病院に乗り込んだドートマンダーたちに対しそこで働く女医が言い放ったひと言など、笑えるものが随所に見られました。
Posted by
面白く読みはしたのだが、ウェストレイクの作品として見た場合、出来は良くない。ハードなクライムノベルの方が資質として合っている気がする。主人公を始めキャラクターは愛すべき人物なのだが、まだ薄い印象しか残らず、カタルシスも味わえなかった。次作からに期待したい。
Posted by
とにかく気楽に楽しめるウェルメイドなスラップスティッククライムコメディ。 読後感も爽快。キャラクター造形も見事で、これならシリーズ化は必至というもの。
Posted by
- 1
- 2