リスク の商品レビュー

ピーター・L.バーンスタイン(著者),青山護(訳者)

2014/09/24

確率統計･リスクに関する人物たちの歴史を振り返って、どのような課程からこれらの理論が発展してきたかを綴った本。
今までそれらの人物の人柄などあまり考える由もなかったが、本書によりその意外な人間性が明らかになり大変興味深く読めた。
リスクの測定手法は日々ブラッシュアップされ進化してきているが、本書の最後に方にあるように、確率はあくまで手引きであって依存するものではないという記載は、昨今の金融事情を振り返ってみても身にしみるものだった。

2014/02/14

人がいかにリスクと対峙してきたかを
確率、統計学などを通して描かれる人類史。
それぞれの時代の天才達が未来の不確実性をどう計量するか、
その方法、考え方を編み出していく変遷が読んでいて面白かった。

タイトルに副題として、『神々への反逆』とついている。
リスクとは人間の手中に収められるものではなくとも、それを追究して、
理性的な行動をとることが最善だということは否定できない。

この著書が出てからしばらくして、リーマンショックが起き、
金融工学はそれこそ『神』に大敗を喫したわけだが、
それでも人間のリスク管理の歴史は終わらないのだろう。

2011/04/21

サブプライム問題の時、まさに証券化業務を行っていた際、思わず手にとって読んだ本。改めてリスクの本質を学びました。

2010/08/09

確率という概念から始まり、人びとは「わからない物事」に対していかに知恵を絞ってきたかを振り返る著書。

確率・統計・ベイズ推定等の予測についての考え方がのっています。

載っている事柄は全部他の本か何かで読んでて知識はあったのですが、まとめて歴史を追いながら読むと面白かったです。

2009/10/20

著者は、ピーター・バーンスタイン氏である。ハーバード卒で、色々なキャリアを積み、
投資顧問会社にも勤めた経歴を持つ。専門家という感じでもないが、色々な賞を受賞
している事からも、信頼は置けそうだ。

内容は、タイトル通り「リスク」について述べられてる。
リスクという概念が誕生するまで、どのような思考方法を持って未来に挑んでいたか。
どのようなステップを進み、リスクという概念に行き着いたのか。また、それが、
洗練されていく過程が、理解しやすいように描かれている。

本書によれば、リスクという概念に人が立ち向かう時、人間は２種類に分けられる。

１．過去のデータによって未来が予測できると考える人間
２．より主観的な信念に基づいて予測する人間

これらのどちらかが優れているとは言えないし、
どちらにせよ未来を定量化する事は不可能であり、予測も困難だ。

しかし、本書で個人的に深く感じた事がある。それは、

”平均への回帰”

である。これは、何事にも言え、実は身の回りの深い所まで染み入ってると思った。
特に、株式については改めて有効な戦略の一つとして考えられる。
ただ、平均は常に変化する事も忘れてはならない。これを忘れてしまうと、
痛い目を見る事となる。

量もあり、内容も骨太であるがゆえに敬遠されがちな本書であるが、
十分に読む価値があると個人的には思う。

お薦めできる。

2009/10/07

人間の生活に欠かすことの出来ない将来予測。これにより合理的に将来を予測し、少しでもリスク低減を図る。
しかし、リスクをなくすことはできない。いかなる行動にもリスクは必ずともなう。
そのリスクに関する予想は、数学的発展がなければ不可能である。
本書では歴史的な経過を含め記載されていた。
将来予測には確率統計の知識がきわめて重要であるとわかった。
しかし、数学的知識が乏しい私にとって、本書を読みこなすことは難しかった。