種まく人 の商品レビュー
余生をゆっくり田舎で…
余生をゆっくり田舎で暮らす・・・都会に生活するものなら誰でもあこがれる生活を手に入れた著者の田舎生活。
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都会の生活を離れて、…
都会の生活を離れて、田舎暮らしをはじめるというもの。静かな暮らし、というのが当たり前ではなくなっている現代社会では癒しの部類に入るのだろう。
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読書録「種まく人」3 著者 玉村豊雄 出版 新潮社 p153より引用 “ ただ、そうして、一日を過ごす(やるべ きことがあってそれをやる、終わらなくても よいができるところまでやる)ことじたいが 重要であり、人生とはそうして与えられた時 間を死ぬまで過ごすことなのかもしれない...
読書録「種まく人」3 著者 玉村豊雄 出版 新潮社 p153より引用 “ ただ、そうして、一日を過ごす(やるべ きことがあってそれをやる、終わらなくても よいができるところまでやる)ことじたいが 重要であり、人生とはそうして与えられた時 間を死ぬまで過ごすことなのかもしれないと、 漠然とだが、しだいに私は考えるようになっ てきている。これも、農という営みの功徳、 だろうか。” 目次より抜粋引用 “死を想う日 リンゴ園からの眺め 究極の人生 水の賭け ヴィラデストへ…” コラムニストである著者による、人生の大 きな転機と終の棲家へと至る様子を記したエッ セイ集。同社刊行作文庫版。 大病を患っての自身の変化から理想の住環 境を作る様子まで、穏やかで情感漂う文章で 記されています。 上記の引用は、求めていた住処と農園を手 に入れ、その手入れに日々を過ごす著者の抱 いた心情。 このように思って日々を過ごせる人ばかりで はないでしょうが、こうありたいと思う生き 方の一つなのではないでしょうか。 年齢を重ねての体調の変化は、誰にでも訪 れるものです。著者のように急激なものでは なくても、いずれ自分も通る道でしょうから、 気持ちの変化の一つの参考に良い一冊かもし れません。あまりにも若い年代の時に読んで も、ピンと来ない作品でもあるでしょう。 中高年向け。 ーーーーー
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3 長野でワイナリー農園・ヴィラデストを経営する玉村豊男のエッセイ。病気をきっかけに42歳で人生の折り返しを考え、三千坪の土地を長野で買い、井戸を堀り、家や畑、葡萄畑をつくり農園・ワイナリーにしていった初期の苦労話が綴らている。著者は借金して不動産を買い将来を拘束される人生の転換にそれなりに悩んだらしいが、家を建てている間も悩み続けたが頭の中で結論が出るより先に現実がやってきて新居に引越したらしい。土地購入はなかなか難しいらしい。解はないが究極の人生とはといったことも考えていたよう。 ヴィラとは15世紀北イタリア発祥で、農村に建てられた有力者の館を指す言葉らしい。彼らは都市の公職についたりもしたが、高い発言力の背景には農村の高い農業生産力による経済の充実があり、都市と田園を往還しながらも拠点は田園におき、そこで土を耕すと同時に独自の文化を作り出していく。。。。というヴィラ的な暮らしが一つの理想になるのではと考えたよう。農業は極めて恣意的。人間が自然を自分の都合のよい方向に捻じ曲げる行為。一部の土地に大量の植物を栽培、品種改良等。文化を作り出していく。agri-culture。しかし、二 人と少しお手伝いから始める一からの農業は苦労の連続でなかなか一筋縄ではいかないよう。一つの人生の転換とその後の苦労や愉しみが描かれておりなかなか面白い。
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