「もののけ姫」はこうして生まれた。 の商品レビュー
あらすじ(HPより)「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」など日本映画史上に数々の名作を生み出し、2002年には「千と千尋の神隠し」でベルリン国際映画祭グランプリを受賞した宮崎駿監督。そんな彼の代表作の一つであり、1997年に日本映画界を席巻、話題を独占した「もの...
あらすじ(HPより)「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」など日本映画史上に数々の名作を生み出し、2002年には「千と千尋の神隠し」でベルリン国際映画祭グランプリを受賞した宮崎駿監督。そんな彼の代表作の一つであり、1997年に日本映画界を席巻、話題を独占した「もののけ姫」は、どのように生まれたのか?その構想、企画、制作、宣伝、配給、興行といった映画の全てを2年間にわたって熱く、そして静かに見つめた完全記録。(https://www.waltdisneystudios.jp/studio/ghibli/0237) もののけ姫の時代背景、アニメでは描かれなかったキャラクターの過去、その辺りを知りたくて手に取ってみた。 思ったよりも制作に焦点を当てたものだったけど、アニメーションができるまで、 そして宮崎駿のこだわり、思想が知れて面白かった。 特におもしろかったのはエボシの描写。 帽子の角度から衣装までとにかくかっこよく描かれていた。 大人になって改めて「もののけ姫」を観た時に、サンよりもむしろエボシのかっこよさに魅了されたのも納得のキャラ作りだった。 以下、印象に残ったところ ヒトの生産力を飛躍的に高めた鉄。それゆえにヒトの欲望を拡大させ続けた鉄。その鉄を作ることは、実は森の資源を食い潰すことに等しいことが分かって来る。人間は豊かさを求めて、森を食い潰してきた。豊かさを求めることを全て悪いとは言えず、一方森を食い潰すことを良いとは言えず、鉄を作る人々は、ものを作る人として尊敬したい、このジレンマ、この複雑な思いが映画になだれ込んでいるのであった。(p.309) →このどちらが完全な悪とは言い難い、正解がない問題を提示しながらも、それでも生きなければならない厳しいがどこか希望を含ませた映画になっているのがすごい。 それにしても、かつての日本の正史には登場しない、いわば「虐げられた者」「忘れられた日本人」ばかりを、よくぞ集めたものだ。ヤマトとの戦に敗れたエミシ一族の末裔、人間に捨てられ山犬に育てられた娘、農民や武士と対立することが多かったタタラ者、不治の病とされた業病に罹った者、本来聖なる仕事を引き受けていた中世の「非人」、山伏風の男達、貧しさ故に売られた娘、映画では「地走り」と呼ばれている山の狩人、それらがエボシ率いるタタラ場に集中する。エボシはそこを世俗とは「無縁」で暮らせる場所にしつつあった。タタラ場=革命家エボシの聖域なのである。(p.315) →そう、この辺りを知りたかった。日本のマイノリティをここまで詰め込んで興行的にも成功している。 今でこそポリコレが映画をつまらなくする、など言う人がいるが、そういう人たちは「もののけ姫」については何を思うのだろうか。
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もののけ姫の製作に密着したドキュメンタリービデオ用の取材を本にしたもの。 宮崎駿の創作の仕方や信念が見れて面白い。 あとサービス精神旺盛。 セルアニメ制作の過程はもう古いものだが、現場の熱気が伝わってきた。 記号的な表現を嫌う。 1秒程度のささいな動きにも徹底的にこだわるからこそ...
もののけ姫の製作に密着したドキュメンタリービデオ用の取材を本にしたもの。 宮崎駿の創作の仕方や信念が見れて面白い。 あとサービス精神旺盛。 セルアニメ制作の過程はもう古いものだが、現場の熱気が伝わってきた。 記号的な表現を嫌う。 1秒程度のささいな動きにも徹底的にこだわるからこそ、ジブリ作品はすばらしいのだろう。 このとき引退宣言をしているが、そのご20年続け、また引退宣言をし、また撤回することを考えるとおかしみを感じる。
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テレビでやっていたもののけ姫を久しぶりに見たら凄く面白くて、その後見ていたウィキペディアで沢山引用されていた本書が読んでみたくなり、図書館で借りる。 読んでみたところ、映画では分からない裏設定部分は全てウィキペディアに引用されていた。 本書は筆者の言うとおり、「メイキングのメイキ...
テレビでやっていたもののけ姫を久しぶりに見たら凄く面白くて、その後見ていたウィキペディアで沢山引用されていた本書が読んでみたくなり、図書館で借りる。 読んでみたところ、映画では分からない裏設定部分は全てウィキペディアに引用されていた。 本書は筆者の言うとおり、「メイキングのメイキング」本である。 もしジブリに興味が無くても、ドキュメンタリー製作に興味がある人にも面白いと思う。 テレビ業界の人なのに文章が上手。 宮崎監督の語る「最近の若者」論が自分にも当てはまる。 「与えられた場で一所懸命頑張るだけ」「責任あるポジションには付きたがらない」 「学生の間やりたくないことを嫌々やらされ続けているので、そのままのスタンスで社会人になっている」だそうです。 自分の子どもにはやりたいことを見つけて頑張ってほしいと思うけど、自分に出来てないことを望むのは図々しい気もする。 結局、本当にやりたいことを仕事にするか、生活のために仕事をするかってことで、後者でもいいと思うんだけど、こういう本を読むと前者に憧れてしまう。
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おそらく初めて見たジブリ作品のメイキング映像ということもあり、かなり興味があります。 だけど近場のGEOにもTSUTAYAにもないんだな
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